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2017.05.18

【Pick Up! Vol.31】〜ローカルショップをEコマースでサポートするMercato体験レポート〜

【Pick Up! Vol.31】〜ローカルショップをEコマースでサポートするMercato体験レポート〜

こんにちは、NYから米国のEコマース・小売情報をお届けしているライターの公文紫都です。
今日は、Eコマースで地元のお店をサポートする『Mercato』の体験レポートをご紹介します。
ニューヨーク在住のライター・佐久間裕美子さんの書籍『ヒップな生活革命』(朝日出版社/2014年7月)で触れられていたように、アメリカでは「地元支援」という動きが出始めています。
お魚は◯◯さんで買って、お肉は◯◯さんで買って、お野菜は◯◯さんで買って……とお店を使い分ける日本人の方は多いと思います。美味しいから、店主の人柄が好きだから。固定のお店で買い続ける理由は人それぞれだと思いますが、その中には「応援したい」という気持ちもあるはずです。
ニューヨークやシカゴ、サンフランシスコのような米国の都市部でもそうした「地元支援」の動きが見られています。特にニューヨークでは、地産地消の動きも目立っているように感じます。

今日ご紹介する『Mercato』は、「ローカルショップの支援」をテーマにしたEコマースサービス。
Mercatoから送られてきたメルマガに、サービスが始まった背景が書いてありました。

A couple years ago—with a successful online marketplace under our belts—we turned our attention back to our roots. As children of local business owners, we wanted to help local businesses compete and thrive against large corporations to get fresh, expertly-crafted food on customers’ tables. We built an online marketplace and added our CEO’s family-owned butcher shop as our very first store.
We strive to keep food fresh and local and keep communities authentic. Local specialty food shops and independently-owned grocery stores have embraced this movement…and we’ve been able to give customers all over New York and Chicago a convenient way to get high-quality local food delivered to their doorsteps.

要約すると、以下のとおりです。
・ローカルビジネスを経営している家庭の子どもとして地元企業を競争させ、大手企業に対抗し繁栄する手助けをするために、新鮮で美味しい食材を顧客の食卓に届けたかった。
・そのために、オンラインマーケットプレイスを作った。
・その結果、ニューヨーク、シカゴ中の顧客に、高品質のローカルフードを届けられるようになった。
私は先日、マンハッタンからクイーンズへと引っ越しをしたのですが、以前住んでいた家の近くにずっと気になっていたお肉屋さんがありました。しかし結局使わないまま引っ越し。
引っ越しから1週間ほどして自宅近所まで戻り、買い物していたら、たまたまそのお肉屋さんの前を通りかかったので、「そうだ! 今日こそは買ってみよう!」と思いましたが、その日は急に夏が来たような暑さ。その後も長い時間外出する予定があったので、お店の前で立ちすくみながら悩んでいると、「Mercatoの加盟店」と書いてあるではありませんか。
オンラインで買えるなら! と早速自宅に帰り、注文してみました。
私が選んだのは、日本風の牛肉や豚肉が手に入る『Japan Premium Beef』というお肉屋さん。日本食が大好きなニューヨーカーから愛されているお店です。
もう購入するお店を決めていたので、モバイルサイトから『Japan Premium Beef』と検索します。

では早速商品を見ていきます。うーん、どれも美味しそう……



今回購入したのは、こちら。

あとは配送日、時間帯などを指定します。



注文情報を確認して、おしまい!



そして数日後。予定時間をやや過ぎたころ、女性配達員さんがお肉を持って来てくれました。
配送は、UberRUSH(※小売店、レストラン、Eコマース事業者などの商品を、Uberの仕組みを使い、Uberと契約している一般人が自動車や自転車で当日配送するもの)を使っているようです。
お肉は、紙袋に入っていました。

出ました! おーいーしーそーうーー!!!
早速調理。しかしひき肉の様子がおかしい。
豚肉を頼んだはずが……赤い。もしやこれは牛肉では?
パスタにしてみました。

赤ワインがよく合う、牛肉でした。あれ(笑)しかし何はともあれ美味しい。
続いて豚の切り落としで冷しゃぶサラダ。

豚の甘みがしっかりしていて、これまた美味しい!
続いて、母の日に夫が牛の切り落としですき焼きを作ってくれました。


これも間違いのないおいしさ! さすがPremium Beef!
ステーキ肉はまた何か特別な日に調理したいと思います。
今回の注文では、配送費が13ドルとやや割高感がありました。理由は、米国には「クール便」のように、個別に荷物を冷蔵/冷凍して配送する仕組みがないので、個別配送代行サービスを使うしかないからです(Mercatoが採用しているUberRUSH以外にも、PostmatesやDoordashなど複数のサービスがあります)。
しかしAmazon FreshやFreshDirectのように、生鮮食料品のルート配送は都市部で実現し始めています。Mercatoのような小規模小売店を支援するサービスが、クール便に近いサービスを出してくれれば、生鮮食料品の小売店舗にとって、Eコマースを使ってビジネスを拡大できるチャンスが増えるのではないかと思います。

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