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長谷川秀樹のIT酒場放浪記 第49回 株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 シニアマネージャー 鈴木健さん


ハンズラボCEOの長谷川秀樹が、どうすればエンタープライズ系エンジニアがもっと元気になるのか?という悩みの答えを探し、IT業界のさまざまな人と酒を酌み交わしながら語り合う本対談。第49回目は株式会社ニューバランスジャパンの鈴木健さんとブランド情報発信の在り方やマーケティングの存在価値などについて語り合いました。「ブランドミッションなんていらんとちゃう?」という長谷川の暴言(?)を起点に始まった攻防をお楽しみください。

株式会社ニューバランスジャパン マーケティング部 シニアマネージャー 鈴木健さん

1991年、広告代理店の営業としてキャリアをスタート。I&S/BBDOでストラテジックプランナーを経て、2002年にナイキジャパンへ入社。ナイキゴルフの広告担当やウィメンズトレーニングのブランドマネージャーを経験する。2009年にニューバランスジャパンへ入社。ブランドマネジメントからPR・広告まで、デジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当している。

理念先行による三角形のブランドステートメントは不要!?

長谷川:鈴木さんとは「ブランドサミット」でお会いしたんですよね。デジタルマーケティング業界のトレンドを共有し、業種や業界の壁を越えてつながり合うことを目的に、ブランド企業や広告代理店、ネット系企業などが一同に集まるというカンファレンスでした。

鈴木:そう、まとめのセッションでみなさんが「勉強になりました」「気づきがあった」とか言う中で、長谷川さんがいきなり「かっこいいことばかり言うてるけど、ホントのところどうよ。そもそもブランドミッションなんていらんとちゃう?」っておっしゃり始めて(笑)。いや〜、面白い方がいるなあと思ったんですよ。

長谷川:そう、ブランドステートメントの“三角形”って本当にそうなってる?例えば、テレビCM作る時、どこまでブランドステートメント通りに作成されているのか、逆にいうと、テレビCMを見た時に、そのブランドステートメントを想起されるものになっているのか。CMとか記憶に残るのが前提と思うんですけど、「かっこええなー」とか、「おもろいなー」とか、そんなんやとあかんのかと。素朴に疑問だったんです。皆さん苦笑されていましたが…。

鈴木:いや大受けでしたよ。「王様は裸だ」って言っちゃったようなものですからね。

長谷川:僕自身、後付けのものって、すごく多いのちゃうかと思っているんですよ。ITベンチャーで自社サービスを作っている会社はヴィジョン・ミッション作って起業するとこもありますけど、前世紀に創業された会社は、設立時からむしゃらに頑張って、そのうち、会社や製品が有名になってきて、「当社もそろそろミッションとか、考えなあかんな」という順番とちゃうのと。実際は。そんなに綺麗に、ミッション・ビジョンから商品設計やサービス設計に落ちますか?とね。世の中に必要とされているサービスや商品をがむしゃらに、作って売るとか、もっと商売って切実じゃないですか。だんだん会社が大きくなって、余裕が出てきた会社が「自分たちが目指していたのはこれだよね」って、後づけで言語化する場合が多い(多かった)と思いますけどね。

鈴木:確かに、特にマーケティングって頭でっかちになりがちですからね。で、日々現場に立ち続ける営業に嫌われるという(笑)。かのコカ・コーラだって最初は「売るため」に苦労してきたことがブランドを作ったわけですから。例えば、日本ではあんな真っ黒な液体は飲み物と認知されていませんでしたから、初期のCMではゴクゴク飲むシーンを多く入れたそうですよ。それが結局スカッとさわやかのような情緒を中心としたブランドに変化していったわけですから。

長谷川:僕は、そういう理解しやすいストーリー設計のあるCMは大好きです。なるほど、私が小学生の頃、コーラをみて、ばあちゃんが「醤油みたいやんか、それ飲むの?」というてました(笑)

鈴木:そもそも企業全体は一枚岩でないですからね。最初は何も考えていなくても、組織が大きくなると象徴となるモノがあった方がわかりやすくなるんでしょう。

長谷川:確かに。とはいえ、ミッションやビジョンに縛られてピポットができなくなるとか、マイナスもありませんか。

鈴木:ありますね。で、企業によってはガンガン変えてます(笑)。とはいえ、揺らいではならない部分として、社会道義的に叶っていること、筋が通っていることは、企業に不可欠だと思うんです。極端かもしれないけれど、パタゴニアのように、売上げよりサステナブルな環境配慮を優先する企業がある一方で、何も考えないで資本主義の鬼的にビジネスをやっていればいいかというとちょっと微妙ですよね。急に大きくなった会社ほど、そこがおろそかになりがちです。

長谷川:なるほど、では、ニューバランスのスニーカーは「おしゃれ」という消費者の評価がブランドイメージにつながっています。しかし、それを企業側から「おしゃれなスニーカーを作る」と宣言したとして、その通りに消費者に評価されるかどうかはわからないわけですよね。

鈴木:そう、あくまでブランドイメージは結果なんですよね。時代が変わると変わるかもしれない。ただ、消費者に伝わるかどうかはわからないけど「作り続ける理由」として何を正しいと考えてモノづくりをしているか、は伝えていく必要があると思うんですよね。たとえば、「おしゃれじゃないからNマークはもっと小さくしてくれ」と消費者に言われても、そのまま従うことではない。これは自分のアイデンティティだからと守るべきところはあると思っています。

オーセンティックなモノづくりの先にユーザーが見出すブランド価値

長谷川:つまり、ニューバランスは「おしゃれなスニーカーを作ろう」としたわけでなく、結果として「おしゃれなスニーカー」として評価されたということでしょうか。

鈴木:そう言えるかもしれないですね。「おしゃれ」を目指したわけではなく、「街で履いてなじむスニーカーを作ろうとした」だけなんです。実はニューバランスは「初めてグレーのスニーカーをつくった」と言われています。街のアスファルトに浮かない色、生活になじむ色がほしいというニーズに応えてグレーを選んだ。その結果、街履き用スニーカーとして認知されたというわけです。

長谷川:そう聞くと俄然ほしくなりますね(笑)。でも、直接話を聞けない人は、広告などで訴求する必要があるわけで。どんなふうに拡散したんですか。

鈴木:数年前に急に売上げが上がった理由は、女性ファンの急増です。スニーカーは圧倒的に男性市場なのですが、グレーなどのカラーリングが女性にも日常のファッションの一部として選んでいただけるようになりました。 ただ当時は「女性はきまぐれだから、来年どうなるか」と不安視する声もありました。それで、マーケ側から「ブランドとしてどんな人に買ってもらいたいのか」を改めて考えることを提案し、「ニューバランスの真価を理解して広げてくれる人」へのメッセージをブランドブックにまとめたんです。それが「ここに注力するのね」という全社の共通理解を生み、ぶれが少なくなった。そう考えると“三角形”も意味はあったかなあと(笑)。

長谷川:なるほどね。でも、たとえば今はグレーのスニーカーって様々なメーカーから出ているでしょう。よほど好きな人向けの商品でない限り、機能性やデザインで大きな差別化は難しいと思うし、結果、広告のクリエイティブも似たようなものになってはいませんか? たとえばビールとか、車メーカーとか、商品名やロゴを隠したらどこの会社も似ているような…。差別化するのは難しくはないですか。

鈴木:なかなか厳しいことをおっしゃいますね〜(笑)。でも、僕は「差別化」ってアプローチが嫌いなんですよ。マーケティングでは他と違うユニークな訴求をしなければ気づいてもらえないことが多いので、差別化を意識するのは仕方ないかもしれません。でも、その時に陥りやすい間違いが「競合ばかりを見ること」です。「顧客を見ること」を忘れると途端にぶれ始め、モノづくりの「オーセンティック=本物・信頼感」が損なわれてしまう。他と比べての差別化を考えるより、顧客に満足してもらうこと、驚かせることを日夜考える方が健全だし、そこに時間を費やすことを忘れてはならないと思いますね。

売上げ直結か、イメージ訴求か これからのCMの存在価値とは?

長谷川:オーセンティックなモノづくりとマーケティングって、かなり嗜好的というか、顧客ニーズがちょっと複雑で難しいから可能なのではないですか。性能や機能がコモディティ化していて、マス向けとなると途端に難しくなる気がします。たとえば、ユニクロも成功例としてあげられますが、最初は作業着屋みたいな雰囲気のCMで、その後フリースとかヒートテックとか機能重視になったり、最近だとファッション性を打ち出したり。おそらく明確なミッションステートメントを掲げているのだと思いますが、こんなに触れ幅というか変化があるのってどうなんでしょう。

鈴木:うーん、そこは会社の方針なのでなんとも(笑)。そもそもTVCMは大きなお金が必要で、どんな企業もできるわけではないですからね。ちなみにTVCMは毎月何千本も作られているそうですが、ある調査によると、好感度どころか「気づいたもの」として上げられるのは 10000 人 のサンプル中2/3に満たなかったそうです。つまり、1/3がお金を掛けてTVCMを流したのに、気づかれてすらいなかったという。

長谷川:えっ、お金の掛け損ってことですか。ちなみに認知された2/3についてもCMの人気と売上げとは関係するんでしょうか。たとえば、昔「つながらない」と評価された携帯キャリアがイメージを払拭するために「つながります」と言うアピールするCMがありましたが、それはわかるんです。でも、日清の「ドンばれ」とか、それでどん兵衛が食べたくなりますかね?まあ、私は、食べましたが(笑)。

鈴木:単純に比例はしていないでしょうね。でも、既にブランドが確立している場合でも、広告をなくすと明らかに売上げ減は免れないので、出さないわけにはいかないようですね。また携帯電話のような新規獲得が売上げを左右するような場合、特に影響は大きいようです。そういえば、車メーカー の営業担当者が「CMはお客さんとの話題にさえなればいい」と言っていて、営業が強い会社はすごいなと思いました。なので、CMの意味と価値は一概には言えないと思いますよ。

長谷川:なるほどね。でも、文句ばっかり言っているけれど、僕自身はTVCMが大好きなんですよ。マツダの「Be a driver」も大好きだし、JINSも櫻井くんのCMのおかげで会社の知名度・売上げが伸びたんじゃないかと勝手に思ってます。エステー化学の「ショーシューリキー」とか、店頭で見るたびに脳内で響きますからね(笑)。

鈴木:いろいろ見てるじゃないですか(笑)。それでもまあ、実際の売上げに対するTVCMなど広告の影響度は、低くなってきているのは明らかでしょうけどね。

長谷川:それでもまだやっぱりTVCMは社会に対するインパクトは大きいですし、憧れですね。自分も機会があったら一度、テレビCM作ってみたいです。デジタル広告も目の端でちらちらしてるんじゃなくて、面白い動画ならもっと見られたり、いいメッセージを発信できたりしそうな気がします。

鈴木:うちの子は興味のあるCMは観るけどあとはスルー。むしろYoutubeをよく見ていますね。考えてみれば、放送でもないし、ビデオにもない。そこにしかないコンテンツだからでしょうか。クオリティの高いEテレより、自分で探した素人投稿の動画を熱心に観ている気がします。彼らも含め、ミレニアム世代以降は自分たちと違う感覚を持ち始めているのは明らかでしょう。今後はそこに合わせたコミュニケーションを考える必要がありそうです。

デジタルネイティブの時代にマネタイズモデルも変わる?

長谷川:うちの子も何かモノを買うとなると「Amazonで頼む?」、わからないことがあれば「ググれば?」ですもんね。テレビも好きだけど、iPadでHIKAKINの解説動画を見ながらMinecraftをやっていたり、Youtubeで「はじめしゃちょー」とかガンガン観てますよ。デジタルネイティブなんてどこにいるんや…って思っていたけど一番近いところにいました。

鈴木:そうそう、うちの子も放送中のテレビに向かって「今のとこもう一回見せろ」と言っていて、リピート再生が当たり前になっている。 Siriにも抵抗ないし、インタフェイスだけならむしろ年配者と共有できそうです。

長谷川:最近、スマホ利用のみで、PC触らない若者が増えてきて、入社してからパソコン研修が必要になっているという話も聞きます。近い将来、「ググる」じゃなくて「Alexaに聞く」が普通になるかもしれません。

鈴木:デバイスもコミュニケーションスタイルも変わってきている中で、デジタルデバイドというより、もっと深刻なデバイドが生まれそうですよね。それにしても、プラットフォームとしてAlexaを無償提供するなんて、Amazonはさすがにすごいというか、戦略的ですね。

長谷川:伸びている会社って、トータルで儲けるために、どこを戦略的に身銭切るか得意ですよね。やりおるなAmazonという感じですが、思い返せばAWSも、データ保管場所として、ストレージは戦略的に安くし、企業は、最初はバックアップ気分でAWSを使い始めるんですが、結局、データを保管すると、分析なりデータ利用をしたくなるので、サーバも使い始めてトータルで儲けると言う仕組みです。

鈴木:倉庫ビジネスもそうですね。預け料金はかなり安くて出し入れで費用がかかるみたいな。顧客が価値を感じているところを無料化して、別のところでマネタイズするとか、そういうビジネスはいろいろ出てきそうですね。

長谷川:スマホアプリをはじめとして、フリーミアムになれていますよね。積み上げ型課金より、無料で何かを提供して他からお金をとるビジネスモデルはもっといろいろ出てきそうです。

鈴木:ありでしょう(笑)。それでも企業が継続して利益を得ていくためには、やはりイチゲンさん型よりサブスクリプション型である方がいいなと。そのためには顧客のことを知っていなければならないし、その上でどのくらい使うかで金額を設定するなど、製品でなくサービスなども含めたバーテカルな市場設計の能力が必要になるでしょう。となれば、流通や製造業といった境目がなくなっていくと思います。また、ミレニアム世代から既に「所有する」感覚が薄くなっているといいますから、シェア型のビジネスは増えていきそうです。

長谷川:そうかもしれません。たとえば、中古車業のIDOM(旧社名:ガリバー)が「NOREL(ノレル)」という自動車リース事業をはじめたのをご存知ですか。月額で中古車を借りっ放しなんですが、最短90日でチェンジが可能なんです。ただし、その車はガリバーの在庫なので、借りたい車があるかどうかは入荷次第というのが辛いところですね。中古車でも人気がある車はすぐに売れてしまうので。

鈴木:それなら、メーカーに依頼してガリバー用のプライベートブランドとして車を作ってもらうとか(笑)。いやいや、やっぱりサステナブルなことを考えると「浮いている在庫」を使うモデルがいいですよね。Uberもそうじゃないですか。後ろのシートが「浮いている在庫」として売ることで渋滞が減るという。普通の企業もムダが消えれば利幅が大きくなって、消費者にも社員にも還元できるわけですから。社会的にもハッピーなモデルだと思いますね。

AIがマーケターの仕事を奪う?全情報が収集・分析される社会へ

長谷川:僕が考える「浮いている在庫」の最たるものは“情報”でしょうか。既にある情報を流通させて共有すれば、無限大にいろんなことができるんじゃないかと。例えば、車にカメラを積んで街をスキャンすれば、リアルタイムで渋滞状況やスタンドのガソリンの値段もわかるし、不動産業なら空き地を発見するとか、業種によっていろんな使い方ができそうです。

鈴木:撤退してしまいましたが、Googleの自動運転もおそらくそんなことを考えていたんだと思います。単なる自動運転ならもっと簡単にできたでしょう。でも、街をスキャンして「世界を知り尽くした人工知能を作りたい」と目標を設定していたから、行き詰まったんじゃないかなと。あくまで想像ですけど…。

長谷川:あらゆるデータを集めて活用するという発想はこれから増えていくでしょうね。まさにAlexaもずっと家の中の音、つまり消費者行動のデータを収集しているというじゃないですか。それらを集めて分析してマーケティングに使うとしたら、もうマーケターは失業ですよ(笑)。

鈴木:うわ〜、おもしろい。いや、困りましたね〜(笑)。

長谷川:ラスベガスの高級ホテル「Wynn」では、全室にAmazon Echoが標準装備されたらしいですね。いちいちフロントに連絡しなくとも「チェックアウトは何時?」「ルームサービスをお願い」で済んでしまうという。

鈴木:それは泊まってみたいですね。ただ、全部聞かれていると聞くと、抵抗を感じる人もいるでしょうけれど。

長谷川:そうですね、僕はぜんぜん気にしないけど。むしろ、その方が便利で健全になる気がします。監視カメラは、「見られている」と思うか「守られている」と思うか。私は、後者です。例えば、町中に監視カメラがあれば、犯罪は少なくなると思います。

鈴木:オープンにするとかえってポジティブな抑止力になるんでしょうね。大学のレポートを誰でも閲覧できるようにしたら、変なコピペがなくなったそうですし。

長谷川:でしょう。その情報を持って誰かが脅しにくるとか、普通はありえないんじゃないですか。

鈴木:うーん、個人情報については人間が扱うと危険な気もしますけどね。日本では属している組織、例えば国や会社なんかもそうですが、観られて当然という人は少なくないですけれど、米国ではiPhoneの情報を取り出すよう国から要請されたAppleが拒否したようにすごく「個人」を重視しますよね。個人が所有する情報は個人のものというポリシーが米国社会では一般的なんでしょう。

長谷川:とはいえ、既に電話やメールなどを傍受して分析されているともいいますね。犯罪を起こしそうな人をキャプチャーするみたいな。

鈴木:おそらくそこに人工知能の能力が発揮されることになるんでしょうね。人の真似をするというより、人が気づかないサインに気づくという。人間は自分のことしかわからないけど、マクロから観ると共通の傾向がわかるというのはありますからね。MITのアレックス・ペントランド教授の著書『ソーシャル物理学』 で、人間の行動としてのコミュニケーションから全体が良くなる方法が分析されていたんですが、確かに“できる人”はいろんなコミュニケーションをとっているんですが、全体で観ると全員が一気に同じ情報を共有するより、タイムラグがあった方がいいらしいんですよね。もしかすると、情報を一律にオープンにするより、バラツキがある方が社会全体にとってはいいのかもしれない、なんて考えたりします。

アウェイでのコミュニケーションもオーセンティックなスタンスがカギ

長谷川:社内の情報共有も難しいですよね。鈴木さんはブランドマネージャーを経験されて、今もマーケティングコミュニケーション全般をみてらっしゃるとなると、いろんな苦労や工夫をされてきたんじゃないですか。

鈴木:工夫というか、考えが合うツーカーの人は放っておいても同じ思いで動いてくれるので、「伝わっていないな」という人とは積極的にコミュニケーションをとるようにしています。
特にニューバランスジャパンは組織が小さいし、経営から製造、物流まで全体をみられるので面白いですね。それだけに苦労もありますが。一方、以前いたナイキは専門職だったこともあって、マーケの話しかしませんでしたね。突然トップダウンで指示が来て大騒ぎになることもありました。部門がいきなりなくなることもありましたから。

長谷川:やっぱりあるんですね。でも、マーケティングってユーザーを知らないと成り立たないじゃないですか。ローカルの権限が強いのかと思っていました。

鈴木:かつてはその傾向はありましたね。でも、グローバルブランドの強みは世界規模で展開できることでしょう。たとえば、有名なプレーヤーを専属契約できたり、海外の優れたクリエイティブを使えたり。ボリュームメリットも強みになります。近年はその優位性をもっと活用しようということで、一元化を進めています。ただ時代にはやや逆行しているかもしれませんね。今はむしろ商品の個別化が進んでいますから。パーソナライズ、ローカライズ、グローバルの間で、その時々に合わせてバランスをとっているというところでしょうか。

長谷川:それでも商品設計から製造、マーケティング、流通販路などあらゆる部分で各国とも異なると思うのですが、そこにグローバルな決定をどのように反映していくのですか。

鈴木:基本はアダプテーションですね。ただアダプテーションは自分たちが企画したものでないので、日本のマーケ担当には単なる翻訳だと思われて嫌われがちです。でも、実はそこが一番難しくて面白いところでもあるんです。たとえばいいグローバルキャンペーンというのは抽象度が高くて、深く響くものが多い。でも、解釈はきちんとしないと伝わらないので、そこはしっかりローカライズしていくことが必要です。つまり、違いを強調するより、共通するものをローカルに合わせて訴求していく方が強いし、メリットも大きいと考えています。

長谷川:確かにリテールで言えばグローバル企業でローカライズに邁進した会社は失敗しています。逆にコストコやIKEAのようなグローバルルールをまんま持ち込んだところは成功しているんですよ。ユニクロも最初は中国市場でローカライズ(安い商品を開発するなど)を試みましたが、結局、日本のユニクロ(品質と価格)をそのまま持ち込んで成功しています。やはり、自社のやり方の譲れない部分を押し通した方がいいんじゃないかと思いますね。仮に、失敗した時も、諦めがつくじゃないですか(笑)

鈴木:そう、僕も無理なローカライズより、やはりオーセンティックであることが大切だと思います。というか、そうでなければ事業をやる意味がないでしょう。

行間に潜む哲学を引き出す 目指すはIT界の田原総一朗!

鈴木:企業やブランドの情報発信って、そこにやっぱり人が介在するものじゃないですか。その意味で、ハンズラボという組織が「居酒屋放浪記」みたいな情報発信をするというのはとてもユニークだし、意味があると思うんですよね。もともと長谷川さんが起案されたんですか。

長谷川:ええ、結構、こう業界の人と話していると、「俺ら、けっこう、ええ話、しとるなぁ」と思って、ほんなら、Webで公開した方がええなこれは、と思いまして。

鈴木:そう考える人は相当いると思いますが、実現してしまうのが長谷川さんのすごいところですよね。そして、そろそろメディア系に転職するという噂が(笑)。

長谷川:そうなったら、この連載を持って移ろうかな(笑)。最近はいろいろ欲が出てきて、ライブ動画も試してみたいと思っているんですよ。

鈴木:ライブは面白そうですね。ただ、企業人としては言葉を選ぶようになってしまうかも。居酒屋放浪記みたいに、アーカイブとして残す時に調整すればいいのかな。

長谷川:この企画もできるだけ臨場感を意識して作っているんですが、人によっては広報からかなり厳しい赤が入ることがあります。ここだけの話ですが、掲載できなかった回もあるんですよ。アーカイブに残さず、Facebookライブみたいに流しっぱなしで録画無しなら、自由に話してもらえるかもしれませんね。

鈴木:そう考えると、やっぱりコンテンツを厚く持っている人や企業は強いですよね。うちも近いうちに好きな人だけに向けて「長いコンテンツ」を見せてみたいと思っています。関係が浅い人にはわかりやすくコンパクトに伝えることが必要ですが、好きな人にはとにかく情報が多い方が好まれるんです。余計な会話とか、いわゆる“余剰”がいいと。ちゃんとコンテンツがあれば、だらだらした中にこそブランドを取り巻く空気や雰囲気、哲学まで含まれるじゃないですか。

長谷川:そう、要約しすぎるとお題目みたいになりますからね。それに臨場感って大切ですよね。ログミーとか、面白いのはそれもあるのかと。だから居酒屋放浪記も全部書き起こそうと思ったんですが、ちょっと破綻しそうなので(笑)。

鈴木:ソーシャルメディアの「中の人」企画(第34回 リテール系ソーシャルメディア担当者座談会)、あれはすごく面白かったですよ。

長谷川:ありがとうございます。ツイッター黎明期の企業アカウントの中の人で集まって、楽しかったですね。中華料理屋で円卓を囲んでやったんですよ。

鈴木:仕切りは大変そうだなと思いましたが、議論の流れをつくるのも1つの才能ですよね。

長谷川:あの時は、みんなにちゃんと語ってもらおうと思って、やりました。あと、「その辺どうなんですか」「あれはうそでしょ!」って、本音を引き出すのが仕事ですよね、インタビュアーの。

鈴木:どちらかというと僕もそうですね。かつてある人に「いろんな分野でレベルがバラバラですね」って指摘されたんですけれど、専門的な知識や体系を正確に把握することより、出会った知識を実践に活用する方が得意だし、好きなんですよね。長谷川さんと話すのが楽しいのも、そこに価値を見出しているからだと思います。

長谷川:よし、決めた、僕はIT業界の田原総一朗になる。

鈴木:長谷川さん、やっぱり転職ですね(笑)。

 


初心者目線でPHPを取り組んだ話


お久しぶりにケイティがお届け致します!
昨日はとっても暑くて、
やっと春らしくなったかな?と思いました. 😀
今年のGWは始まりがさしかかってくるのでそれを励みに頑張りましょう!
楽しみな計画がいっぱい立てられそうですね.
最近、同僚と性格診断を受けて、とても面白かったので共有します!
私の診断結果はESFP型の”エンターテイナー”でした。皆さんのタイプは何ですか?

最近はPHPに挑戦中なので自分の経験を共有したいと思います。現在は、AWSのCloudFrontで自分で作成した静的サイトをPHPコードと組み合わせたいのです。

I’ve been experimenting with PHP lately on my Windows desktop and wanted to share my experience trying to get it to load. I have a static website I made being served out of AWS’s CloudFront that I wanted to combine with PHP.

直さないといけないエラーが多すぎるので、コンピューターを投げつけるところでした。だから、頭痛のタネや時間の無駄をなくすために、ローカルの環境でPHPを立ち上げるために私が確認していたところをまとめました。

There were so many errors I had to sort through that I almost threw the computer across the room. Therefore, to save you some time and headaches, I’ve compiled the places I had to check in order to get PHP up and running in your local environment.


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【Pick Up! Vol.29】〜Care/of 体験レポート〜


こんにちは、NY在住ライターの公文紫都です。
NYは春を通り越していきなり夏が来たような暑い日が続いています。

今日は個人の悩みや目的に応じてサプリをカスタマイズし、定期配送してくれる『Care/of』の体験レポートをお届けします。

まずトップページから。

Care/ofの特徴は、「安心・安全性の高いサプリを」「低価格で」「個人に合わせて定期配送する」というものです。
医者、科学者、栄養士と連携し……▼

一般的な健康食品店で購入するよりも安いことを、トップページ上で訴求しています▼

続きを読む 【Pick Up! Vol.29】〜Care/of 体験レポート〜


Microsoft Translator (通訳アプリ)のリアルタイム会話翻訳を使ってみた


はじめまして!!今年の2月にハンズラボに中途で JOIN した渡辺(和)です!
入社して約2ヶ月という超短期間でチーム移動し、現在は念願だった IOS エンジニアとして働いてます!

さて今回のブログですが、タイトルの通り
Microsoft より、4月7日に公開された Microsoft Translator のリアルタイム会話翻訳を使ってみたので、その感想についてです。

今回の発表によると9言語(アラビア語、中国語(マンダリン)、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語)を話す人々と、リアルタイムに会話ができるとのことです。

東急ハンズではたくさんの外国人が買い物に来ることもあり、外国人のお客さんと店員さんが話す内容を即座に翻訳する必要があり、その役目を担ってくれるアプリになるのではないかと密かに期待してます。
ということで、とりあえず実験的にこのアプリを使ってみました。

な、なんとー!!
ハンズラボにはネイティブのケイティがいます!!
早速ケイティと翻訳(日本語 ⇆ 英語)機能について検証してみましたー。

アプリを起動すると、こんな感じになってますー。

いくつか機能があるのですが、店舗での運用で一番使われそうな機能は、いかにも押して感を出している一番主張が強いマイクアイコンのボタン。この機能を検証して見ることに!!

画面遷移すると、こんな感じになってますー。

なんと双方向でお互いの話した内容が言語化されて表示される仕様である!さらに丁寧なことに読み上げもしてくれます。これは凄い!
ケイティがお客さん役、渡辺が店員役とした場面を試してみたいと思います。

ケイティ 「こんにちは。私はフェイスマスクを探してます。」

渡辺 「はい。少々お待ちください。フェイスマスクですね。それは2階にあります。」

おー!簡単なやり取りではあるが、完璧に聞き取り(音声認識)即座に訳しているではないか!!
(若干意識してゆっくり話した感はあるが。。。)

しかし実際の接客では、このようにすんなりとやり取りが終わるケースは少ないと思います。
もう少し踏み込んだ場面を想定した検証を行ってみることに。。。。

やり取りを動画に撮ったのでこちら▼を参照ください

動画の元ページはこちら

んんん???
少し怪しくなってきましたねw
短く簡潔な文であれば音声認識や翻訳を完璧にこなしてくれますが、長い文や固有名詞が入ると、少し聞き取り(音声認識)に苦戦しているような印象です。

今回の検証を通して、残念ながら店舗での使用については正直厳しい印象を受けました。
やはり店舗では質問したら即座に的確な返答を求められることが多いと思います。

今回は画像や動画ではご紹介していないですが、「えーと」や「んー」等の特に意味のない言葉は無視して自然な言葉として訳されてました。翻訳機能はとにかく凄いと感じただけに、聞き取り(音声認識)については少し残念な印象です。

ただ、Microsoft によると機械学習トレーニングによって精度を上げていくとのことなので、外国語を話せない店員さんが外国人のお客さんを対応する日はそう遠くないように感じました。


【Pick Up! Vol.28】〜Winc体験レポート〜


NYから米国のEコマース情報をお届けしている、ライターの公文紫都です。

今日は、お酒が大好きでいつも自宅に何本か置いておきたい! という(我が家のような)家庭にピッタリの、ワインの定期購入サービス「Winc」をご紹介します。

Wincはユーザーの好みに合わせてワインをセレクトし、届けてくれるキュレーション型定期購入サービス月に4本、 1本13ドルのワインが届きます(スキップ・キャンセルも可能)。

では早速、注文方法から見ていきましょう。

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