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2019.12.05

書評・レビュー「徹底活用 Google アナリティクス」

書評・レビュー「徹底活用 Google アナリティクス」

こんにちは、青木です。
この記事は、ハンズラボ Advent Calendar 2019 5日目の記事です!
採用担当として日々エンジニアのみなさんの面接を行っている私ですが、SNS更新やこうしたブログの執筆なども行っています。採用担当も「広報」や「マーケティング」をする時代になってきているな、とひしひしと感じます。
さて今日は、そんな私もちゃんと勉強したいと思いつつできていなかった「Google アナリティクス」について学ぶべく、最近発売された一冊の本を手に取りました。それは「徹底活用 Google アナリティクス」(SBクリエイティブ)。デジタルマーケティングをやっていきたい方、もちろんマーケターだけでなくエンジニアの方にもオススメです。分厚めの本ですが、キャプチャもたくさん入っていて初心者でもわかりやすいと思います。早速、内容をご紹介していきましょう!

本書の構成

本書の全体構成は、後述する4つのテーマに分かれています。「基本」「活用」「ケーススタディ」「Appendix(付録)」です。
目次は以下の通り。

【基本】
Chapter1: Google マーケティング プラットフォームとGoogle アナリティクス
Chapter2: Google アナリティクスの利用を開始する
Chapter3: Google アナリティクスの標準レポートを確認する
Chapter4: Google タグマネージャの利用を開始する
Chapter5:ページビューの計測設定を行う
Chapter6:イベントの計測設定を行う
Chapter7:目標設定を行う
【活用】
Chapter8:拡張 e コマーストラッキングの設定を行う
Chapter9:ユーザーをより深く理解するための準備を行う
Chapter10:ユーザーの流入元に関する情報を正しく把握するための準備を行う
Chapter11:データを柔軟に抽出する術を知る
Chapter12: Google データポータルでレポートを作成・共有する
Chapter13: Google オプティマイズでA/Bテストを行う
Chapter14: Google アナリティクスのデータをGoogle 広告による広告配信に活用する
【ケーススタディ】
Chapter15:ケーススタディ1:コンバージョンの改善を図る
Chapter16:ケーススタディ2: SEOについて検討する
Chapter17:ケーススタディ3: Google オプティマイズでキャンペーンのランディングページを最適化する
Chapter18:ケーススタディ4: Webサイト上で発生する問題を検知する
【Appendix】
Appendix1:ユーザーの権限管理を行う
Appendix2: AMPページの計測を行う
Appendix3: Google タグマネージャの「タグ」「変数」「トリガー」
Appendix4:グローバルサイトタグ(gtag js)で計測を行う
Appendix5: Google アナリティクスにGoogle AdSenseをリンクする
Appendix6:お役立ち情報
Appendix7: Google アナリティクス&Google タグマネージャ設定チェックシート

本書を通して学べる内容や、気づいたポイントをまとめます。

基礎を理解した上で利用開始することができる

本書は「ザ・初心者向け」ではないものの、初めて使う人向けに書かれています。Googleアナリティクス内で使われている「アカウント」「プロパティ」「ビュー」「セッション」などの用語の意味をChapter1で抑え、Chapter2から実践編に入っていく流れとなっています。Googleアナリティクスに予め実装されている標準レポート、ノンプログラミングでGoogleアナリティクスと連携するタグの設定・配信ができる「Googleタグマネージャ」の使い方がChapter4にまとまっています。

Googleタグマネージャについての詳細もチェック

最終章であるAppendixのコーナーでは「タグ」「変数」「トリガー」についての詳細が記載されています。例えば「変数」で出てくる「カスタムJavaScript」を活用すれば標準の変数では取得できない値を取得できます。JavaScriptの知識は必要となりますが例として「ユーザーエージェントを使いiOSを利用しているかどうか判定したい」といったこともGoogleタグマネージャの「変数」を使えば実現できます。(ぜひエンジニアの方にお願いしたい)

具体的な分析例がキャプチャ付きで掲載されている

本書ではキャプチャや図を使った解説が多く取り入れられています。特にChapter12の「Google データポータル 」(データビジュアライズサービス) の利用を取り扱っている箇所では、表やピポットテーブル、各種グラフの作成方法をそれぞれキャプチャで示しており、自身で使っているGoogleアナリティクスの画面ですぐに同じ操作をすることができ、「本を読んでもよくわからない・・」といった状況になりにくいでしょう。
Chapter14ではGoogleアナリティクスを活用した「Google広告」の利用方法も紹介されています。比較的短めの章ですが、Google広告を使ったリターゲティングまでここで学ぶことができます。

ECサイトの分析について理解・実践ができる

ECサイトにおけるユーザーの行動分析についても、本書でしっかり抑えられています。Chapter7で紹介されている目標設定の他、Chapter8では「拡張eコマース」の機能を使えば商品の購入やカート追加、商品リンクのクリックなどそれぞれのケースについて紹介されています。商品カテゴリごとの分析やユーザー行動の把握なども必要ですね。また流入経路の確認などはECサイト以外でもチェックしておきたい部分ですし、コーポレートサイトなどの担当者にも役立つ内容となっています。

結局のところ、やっぱりレポートと対策!

Googleアナリティクスを使って、会議や報告のレポートを出したいという方は多い・・というより利用者のほとんどがそういった使い方をされているかもしれません。本書では前述のGoogleデータポータルを使ったグラフ化の他、ケーススタディ編ではコンバージョン改善、SEO対策についても触れられているので、改善案を出したり検討したりする際にも活用できるでしょう。
Chapter13では、「Googleオプティマイズ」を利用したWebページのA/Bテストについての実施手順が載っています。トラッキングコードの修正方法のほか、Googleタグマネージャを利用している場合の手順も掲載されているので、非エンジニアの方はやはりGoogleタグマネージャを活用しながら進めていくと良いでしょう。
Chapter10およびChapter16ではGoogle検索での検索結果について管理・改善ができる「Google Search Console」の利用開始手順、活用方法が掲載されています。勝手にバンバンWebサイトに訪問してもらえるわけではないので、検索結果にちゃんと表示されているか?を抑えておくことは重要です。

まとめ

徹底活用 Google アナリティクス」はこれからGoogleアナリティクスを始めたい方、とりあえず入れたけどもっと具体的に使いたい・・という方にとてもオススメです。推奨されている方法や、デフォルトの状態とその注意点なども細かく注記が入っており安心して作業を進めることができます。ECサイト運営に関わっていらっしゃる方向けにも充実した内容となっている点も要チェックです。

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