AWS活用事例、メディア・セミナー情報や名物・社長のほろ酔い対談などをお届けするブログです

HANDS LAB

HANDS LAB BLOG

ハンズラボブログ

長谷川秀樹のIT酒場放浪記 第34回 リテール系ソーシャルメディア担当者座談会


ハンズラボCEOの長谷川秀樹が、エンタープライズ系エンジニアが元気に働ける方法を探し、IT業界のさまざまな人と酒を酌み交わしながら語り合う本対談。今回は、東急ハンズを含むリテール系企業のソーシャルメディア担当の方々にお集まりいただきました。所属は違えど、ソーシャルメディア上で切磋琢磨しあう同士のような関係の皆さん。懐かしい話に盛り上がり、今後の展望について熱く語り合いました。

<参加者(敬称略。所属は2016年3月2日時点のものです。)>
風間公太(株式会社良品計画 WEB事業部 コミュニティ担当)
島袋孝一(株式会社パルコ メディアコミュニケーション部 業務課長)
関口由依(株式会社パルコ メディアコミュニケーション部)
大成辰也(株式会社ロフト営業企画部 販売促進Ⅱ 担当)
畑山和文(株式会社ロフト オムニチャネル推進室)
本間里望(ヴィレッジヴァンガードオンライン サイト運用・ソーシャルメディア担当/チームラボ株式会社)
本田浩一(株式会社東急ハンズ 営業企画部 営業企画課 課長)
緒方恵(株式会社東急ハンズ オムニチャネル推進部 オムニチャネルコマース課 主任)
モデレーター:長谷川秀樹(ハンズラボ株式会社 代表取締役社長)

企業のソーシャルアカウント一期生、当時を振り返る

長谷川(ラボ): 今日は、ソーシャルメディアの企業アカウントの歴史を振り返り、今皆さんがソーシャルについてどう思っているのかということを、「きれいごとなしで」いっぺん聞いてみたいなと思います。「きれいごとなし」でね!

一同: (笑)

長谷川(ラボ): 皆さん、ソーシャルの担当になられてからどのくらいですか?

島袋(パルコ): 3年です。

関口(パルコ): 私は1年くらいです。

本間(ヴィレヴァン): 2年くらいです。

大成(ロフト): 僕、ソーシャルは直接(中の人)はやってないんです。

長谷川(ラボ): なんで、ここにいるんや(笑)

一同: (笑)

本田(ハンズ): 僕は6~7年。

畑山(ロフト): 1年です。

緒方(ハンズネット): 6年です。

風間(無印): 2009年からだから、7年くらいですね。

長谷川(ラボ): 1~2年という皆さんも、会社としてはもっと前からやっていて、誰かから引き継いでいるんですよね。
本間さんは、ハンズネットとヴィレヴァンさんがTwitterで大喜利やったときはもういました?

本間(ヴィレヴァン): はい。
social02

緒方(ハンズネット): 大喜利は3回やってまして、最初はハンズとヴィレヴァンさんで。第2回目は13社入り乱れの大喜利大会、第3回目が本間さんと一緒に、ハンズ、ヴィレヴァンさん、ニッセンさんとやったんですよね。

oogiri 参考:ヴィレヴァンvsハンズvsニッセン Twitter大喜利2013 – Togetterまとめ http://togetter.com/li/579007

長谷川(ラボ): この中でも、長くやっているのはハンズと無印ですかね。2009年から? その頃ってどんな感じでした?

風間(無印): 最初は企業アカウントというもの自体が少なかったので、同士みたいな感じでしたよね。会ったことはなくても、タイムライン上で会話が始まってすぐに仲良くなれるみたいな空気がありました。

長谷川(ラボ): 僕もあの頃、Twitterの企業アカウントができ始めて「何かが起こりそう」みたいなワクワクした感じはありました。だからこういう集まりとかも積極的に行っていろんな話を聞いたりしてね。お客さんも、企業とはそれまで広報を通してしか付き合いがなかったのが、なんとなく人間同士のやり取りができるようになったような感じだったと思いますね。
僕は最初の2年くらいしか見てないのでわからないんですけど、始まった頃と今とで違いってありますか?

緒方(ハンズネット): 明確にありますね。最初の頃はちょっとボケるだけで「おぉ! この企業が◯◯と言った」みたいな注目のされ方をしていましたけど、最近はそこに一定量の面白いネタ、興味深いネタというのが付いていないと関心を持たれなくなっています。

長谷川(ラボ): なるほど。企業アカウントで、最初は盛り上がってたけど消えていったところってある?

緒方(ハンズネット): たくさんありますよ。そもそもソーシャルを閉じちゃったっていう企業アカウントもめちゃくちゃあるので。

長谷川(ラボ): ほう。たとえば?

緒方(ハンズネット): 有名なのは牛丼のZ社さんとか。それ以外にも大小問わずたくさん。2009年当時からずっと続いているアカウントというと、NHK_PRさん、無印良品、ハンズ、ヴィレヴァンくらいしか思い浮かばないくらいです。

social03

長谷川(ラボ): そうなの!?

風間(無印): 一期生的なアカウントは、本当になくなってますね。

緒方(ハンズネット): 今はシャープさんとか有名ですけど、初期はメーカーのアカウントってあまりなかったですよね。シャープさんはホントすごい。

長谷川(ラボ): 当時盛り上がったアカウントって、言ってみれば「中の人」勝負じゃない? それは今でもそうなのか、今だったらちょっとした人がやってもまあまあ成り立つのか、その辺はどう思う?

島袋(パルコ): 人に依存すると思いますね。

長谷川(ラボ): でも企業って、「Twitterできそうだからアイツにしよう」っていう人事じゃないじゃない? たまたま広報とかECとかでやることになって、本当に向いているヤツというよりはその部署の中でなんとなくできそうな人がやらされるということでしょう。そこはどうやってクリアされているのか、あるいはクリアされていないからダメなアカウントもあるということなのか…?

緒方(ハンズネット): 最近は、マーケティング部門がちゃんと握るという方針があって、その中でソーシャル担当を決めるという形がメインになってきていると思います。

長谷川(ラボ): 「ソーシャルをやるのはこの部署だ」と決められている会社さんはどのくらいあるんでしょう? 東急ハンズは全然違うんですよ。元々情シスが始めているというわけわからん経緯なので、担当者が新宿店に異動になってもその人がやり続けるというアナーキーなことになるんです。本田さんが「絶対離さん!」と言ってね(笑)

本田(ハンズ): 言ってない、言ってない(笑)

緒方(ハンズネット): 畑山さんのところはソーシャルをやる部門が決まってるんですか?

畑山(ロフト): そうですね。部署に紐付いています。

大成(ロフト):見方を変えると人に付いていると言えるかもしれません。今回ソーシャルの担当部署がかわったのですが担当者もそこに異動してる感じなので。

長谷川(ラボ): そうなんですね。無印さんは、ずっと変わってないですよね。

風間(無印): はい。後にも先にも僕しかやってないです(笑) でも、それはたまたま異動しなかったからで、もし僕が店舗に移動になったら誰かに引き継ぐことになると思います。異動はあり得る会社なので、マニュアル化はしてますよ。仕組みが大切な会社ですので。
※良品計画の前会長 松井忠三さんの著書『無印良品は、仕組みが9割』では、良品計画の「仕組み化」を重視する仕事のノウハウが紹介されています。

本田(ハンズ): 出ました「仕組みが大切」! ソーシャルのマニュアルもあるんですか?

風間(無印): TwitterとFacebook運用のマニュアルはあります。

長谷川(ラボ): それ、ちょっと見てみたいですねぇ。
パルコさんは、Twitterは島袋さん、Instagramは関口さんの担当なんですね。
パルコさんはそれ以外にもアプリとかLINEとかオムニチャネルとかの施策で、ファッションビルとしては独走態勢に入ってると思いますが、今後も島袋さんがどんどん拡大していくんですか?

島袋(パルコ): いやいや、チームでWEBやオムニチャネルを推進していますので。で、僕は、来週辞めるんです…。

長谷川(ラボ): 辞めちゃうの!? どうして?

島袋(パルコ): さっきの人事の話に通じるんですけど、人事異動がひとつのきっかけですね。企業が、ソーシャルやオムニチャネル、WEBを通じたコミュニケーションを行う人材を本気で育てるなら、まだ(本部で)やらせてほしかったという思いがありまして。一方、自分ももう36なので、次の世代に変わった方がいいかな、という想いもあって。

長谷川(ラボ): ちなみに、次行くところは?

島袋(パルコ): まだ決まってないんです。(2016年3月2日時点)

本田(ハンズ): おぉ、漢や…。

ソーシャルメディアの売上への貢献はどのくらい?

今回の座談会を開催するにあたり、参加者の皆さんには事前にアンケートに回答いただきました。
1つ目の質問は「ソーシャルメディアでの活動で、売上は上がりましたか?」。
結果は以下のとおりでした。
・メルマガ以上に売上に貢献している… ヴィレッジヴァンガード
・メルマガと同程度… なし
・ほとんど影響なし… ハンズネット(たまにホームランを打つ)、東急ハンズ、パルコ(Twitter)、パルコ(Instagram)
・その他 無印良品(メルマガほどの影響はないが、売上への影響は十分ある)

長谷川(ラボ): ヴィレヴァンさんは、ソーシャルがメルマガ以上に売上に貢献しているというのは、ホントですか? 普通、ECか何かの会員組織にメルマガを送るとすると、開封されるかどうかは別として会員みんなに届きますよね。でも、会員組織のうちでソーシャルアカウントのフォロワーはたぶん10分の1程度だったりして、その上投稿してもその人のタイムラインに出るかどうかはわからないわけで、リーチはメルマガより少ないんじゃないかと思うんですね。それでもソーシャルの方が売上が上がるっていうのは、どういうことなんでしょう?

本間(ヴィレヴァン): オンラインストアに限った話ですが、ヴィレッジヴァンガードでは最近、問屋さんからおろしてもらうものよりもクリエイターさんの商品傾向が強くなってきているんです。そういう商品についてつぶやきと、それをクリエイターさんたちが拡散してくれたりするんですよ。クリエイターさんたちには一定数のファンがいますので、そのファンがつぶやきから直に買いに来てくれたりするんです。

social04

以前はメーカーさんから仕入れる商品とクリエイターさんの商品と均等な比率だったのが、ここ1年くらいでクリエイターさんが逆転しているんですよ。クリエイターさんから提供される商品画像ってクオリティが高いものが多いので、そういう意味でもソーシャルで反応がいいんです。

長谷川(ラボ): 全体の売上のうちの何%くらいがソーシャルの効果による売上だと思いますか?

本間(ヴィレヴァン): 20%くらいですかね。

長谷川(ラボ): ウソでしょう!

一同: すごい!

本間(ヴィレヴァン): オンラインでの売上に対する割合ですけど。

長谷川(ラボ): それでも、小売業の常識では考えられませんね。7年もやっている東急ハンズの立場は…。

本田(ハンズ): 我々もまた極端ですけどね。商品の話を全然しないから(笑)

長谷川(ラボ): でも20%は、ウソでしょ?(笑)

本間(ヴィレヴァン): 数字はちょっとざっくり言い過ぎたかもしれないですけど、流入元でソーシャルが一番多いというのは確かです。

島袋(パルコ): オーガニックサーチよりもリスティングよりも、ソーシャルが効果があるっていうことなんですね? すごいなぁ。

長谷川(ラボ): 無印良品さんは、「売上への影響はある」という回答でした。昔はTwitterで何かキャンペーンやったら記事になったりして、ちょっといい思いしてたよね?

social05

風間(無印): はい(笑) メルマガの規模がかなりあるのでそれと比べるのは難しいんですけど、ソーシャルからの売上もあるというのは確かなんです。その結果がなかったら、ここまで続けてなかったと思いますね。

長谷川(ラボ): なんとなく概算で、売上比の何%みたいなのはあるんですか?

風間(無印): 全体の売上の9割はお店ですから、割合はわからないんですが、ソーシャルの影響も、(オンラインショップというよりは)お店に対してあるんですよね。それはやってみてから分かったんですけど。
そもそもTwitterを始めたのは、ユニークだけれどもプロモーションとかに乗りにくい、お店でもみつけにくいような商品を紹介できないかな、ということからだったんですよ。ソーシャルが認知のきっかけになってお店に行ってもらえれば、例えばその商品は200円の商品だとしても、お店に来た人の一人あたりの購入金額ってそんなに低くはないので、意味があるんじゃないかなと思ってるんです。

意外!? ソーシャルメディア運営のKPIはない、またはあまり重視していない会社が多い

アンケートの2つ目の質問は「社内でソーシャルメディア運営のKPI目標はありますか?」です。
結果は以下のとおりでした。
・ある… パルコ(Instagram)
・あるが、数値を最重視はしていない… ロフト、ヴィレッジヴァンガード
・ない… パルコ(Twitter)、東急ハンズ、無印良品

長谷川(ラボ): KPIについての質問ですが、パルコさんはInstagramではKPIがあるんですね。

関口(パルコ): 私はWebの担当ではなくて、インバウンド(訪日外国人企画)の担当なんですよ。アジアの人なんかにリーチするのに適切なメディアがInstagramなので、増やしていこうということで、「インスタのフォロワーを1年間でこれだけ増やそう」というような指標はあります。

長谷川(ラボ): じゃあ、「あるが、数値を重要視をしていない」というヴィレヴァンさんは、何をみてるんですか?

本間(ヴィレヴァン):売上・フォロワーですが、目標があるわけではなく数値を見ているということです。

長谷川(ラボ): モニターしているということですね。ロフトさんはどうですか?

大成(ロフト): フォロワー数だけですね。

長谷川(ラボ): 今、フォロワー数どのくらいですか?

畑山(ロフト): 2万9000くらいですね。

長谷川(ラボ): じゃあ、来年くらいには10万になって東急ハンズを抜くと。

大成(ロフト): いやいや(笑)

social07

島袋(パルコ): フォロワー数が増えると、担当者の評価が上がるんですか?

大成(ロフト):目標数があって達成・未達成の評価はあります。

各社が振り返る、過去のベストツイート

アンケートでは、これまでTwitterを運用してきた中での「ベストツイート」、「ワーストツイート」についても聞きました。

長谷川(ラボ): それでは、各社のベストツイートを聞きましょう。RTの数でもいいですし、そういうのは関係なく「俺のベスト」というのでもいいです。心の準備ができた人から、挙手をお願いします。

本田(ハンズ): ここは緒方さん、挙手しないと?。

緒方(ハンズネット): 無茶ブリ(笑) そうですね、、RTだけで言うと、ハンズネットアカウントでやったエイプリルフールの「LOFTです」です。あの年のエイプリルフールは各社いろいろ仕込んでいたんですよね。で、うちは何も仕込んでなかったのですが、周りが盛り上がっているのを見て何かやろうかなー、、と思って「LOFTです」と投稿したら、5万回以上リツイートされて、翌朝のニュース番組でも紹介されるという…。

ハンズネットアカウントによる2013年4月1日のツイート

長谷川(ラボ): ちょっと確認ですが、それは会社としての許可を取ってやったんでしょうか?

緒方(ハンズネット): いや、一切取ってないです。

一同: (笑)

大成(ロフト): あの時、それを受けて渋谷ロフトのアカウントがやり取りしていたんですけど、その担当者も思い出深いと言っていましたね。面白かったのがお客さんのツッコミで、「(ハンズとロフトはイメージが似ていて)ただでさえややこしいのに」と(笑)

一同: (笑)

緒方(ハンズネット): 企業のツイッター活用の物語として一番良かったという観点でいくと、Twitterを介してキングジムさんと商品開発をし、それを商品化して速攻で売り切ったというのがあります。あれが一番感慨深いですね。

hands_kingjim

キングジムさんとのコラボ商品について、東急ハンズのプレスリリースより

長谷川(ラボ): じゃあ、次はロフトさんに聞きましょうか。

畑山(ロフト): うちは、「カパル」っていうカッパのゆるキャラとタニタさんとで、Twitterでのやりとりをきっかけに、コラボで歩数計を作って販売したんです。


カパル、タニタ、ロフトのコラボ商品「カパル歩数計」

長谷川(ラボ): どのくらいの売上だったんですか?

大成(ロフト): 単体の初速の売上自体は120万ぐらいだったと思うんですが、初めてそういう取り組みが出来たということで、意義が高かったなと。

長谷川(ラボ): なるほど。じゃあ、本田さんのベストツイートは?

本田(ハンズ): 話題にしていただいたという意味では、うちで販売していた「オタマトーン」という商品をプロデュースしてくれていた明和電機さんが、渋谷店にたまたま来てツイートしているのをつかまえて、速攻でリアルの場で演奏会をしてもらって、という流れができたんです。そのご縁で後日公式にお店で演奏会してもらって、そのおかげでオタマトーンもすごく売れた、ということがありましたね。

長谷川(ラボ): 確かに、ネットだけじゃなくてリアルとの絡みみたいなところも、ソーシャルのいいところで。当時って有名人もそんなにTwitterをやっていなくて、J-waveのDJの方にコラボしようってメッセージを何回か送ったら返事が来た、みたいなこともありましたもんね。今だとメッセージにいちいち対応してられないでしょうけど、その頃はまだ「俺たち何か新しいことやってるよな」みたいなシンパジーがあった時代でしたよね。

本田(ハンズ): DJ TAROさんですね。当時は数少ないTwitterユーザーだったので、直接お声がけして絡んだりしてましたよね。

長谷川(ラボ): じゃあ、次はヴィレヴァンさん。「20%の男」のベストツイートを話してもらいましょう。

本間(ヴィレヴァン): (笑) ツイート単位で言うと、「スライムカレー」ですね。

長谷川(ラボ): それは、エロい話?

本間(ヴィレヴァン): いえ、健全な…。スライム色の水色のカレーです。

長谷川(ラボ): うわ、これはまずそう…。


ヴィレッジヴァンガード限定商品「スライムカレー」

本間(ヴィレヴァン): twitterで話題になり、ネットニュースに取り上げられて、youtuberが試食して……と、リツイートも売上もかなり伸びました。

長谷川(ラボ): それは、あまりにもありえないような商品だったから、みんなリツイートしたんですかね?

本間(ヴィレヴァン): 画像のインパクトですね。ヴィレヴァンでバズってるのは、ほとんど画像が受けたもので、何か粋なツイートをしてバズったというのはほとんどないんですよね。

長谷川(ラボ): へぇ、そうなんや。パルコさんは?

島袋(パルコ): (パルコはチームでTwitterを運営しているのですが)アニメの「弱虫ペダル」とのコラボで、アニメキャラにパルコのキャラクターの「パルコアラ」の耳を付けたグッズがあったんですよ。そのキャラクターの誕生日に合わせてツイートしたのがアニメのファンの心をぐっとつかんで、1000リツイートくらいされたというのがあります。


コラボしたアニメキャラの誕生日に合わせたツイート

長谷川(ラボ): パルコさんのフォロワーの中に、そのアニメのファンがいたから受けたんですか? それともリツイートで広がっていったんですか?

島袋(パルコ): コラボ商品のキャンペーン期間中に、たまたまキャラクターの誕生日もあって、ということで、いろんな要因が絡みあってウケたんですね。場の空気を読むのとタイミングはすごく大事だと思いました。

長谷川(ラボ): それはヴィレヴァンさんと同じように、売上にも貢献したんですか?

島袋(パルコ): このTwitterアカウントは売上の責任がないものなので、どれだけ話題になって、お客様とコミュニケーションしたか、が指標なんです。でも、普通のキャンペーンよりは売上に貢献したかもしれません。

長谷川(ラボ): では、無印良品さんは?

風間(無印): 世の中で盛り上がっている流れに乗って商品を紹介するというのをたまにやるんですけども、それがうまくいくと盛り上がるんですよ。リツイート数で一番多かったのは、ドラマの『デスノート』の最終回の時に、「無印良品にデスノートはありませんが、デスクノートはあります。」っていうのを投稿したら、それが5万近くリツイートされました。リーチ数を計算してみると、1千8百万リーチくらいなんですよね。


ドラマ『デスノート』の最終回放送日のツイート

長谷川(ラボ): 日本人の10人にひとりくらいじゃないですか、それ!

風間(無印): リアルでどのくらい見ているかはわからないですけどね。リツイート×フォロワー数ということで出して見るとそのくらいなんです。これはソーシャルだな、Twitterならではだな、というところで…、

長谷川(ラボ): そんなくだらんダジャレが!?

風間(無印): そうなると「これちょっと、売上もいってるんじゃない?」みたいに思うじゃないですか。そしたら、全然売れなくて(笑)

一同: (笑)

風間(無印): もう、売り上げ的にはピクリとも反応してないんですよ。それもソーシャルだなと(笑)

長谷川(ラボ): まあ、確かに面白くても、それでノートは買わないよね(笑)

風間(無印): 面白いのは、すぐに商品画像を使ってデスノート風にコラージュして投稿してくれる人だとか、そういう盛り上がりの輪が広がっていく様が見えたりするんです。あとは副産物としては、それだけ情報のリーチが広がると、フォロワーがぐんと増えるんですよね。一晩で1000人、2000人という単位で。そこってすごく僕らは重要視していて、一時情報が伝えられる人が増えるというのは、大事な部分だと思っているんです。

長谷川(ラボ): なるほど。

企業アカウントで「やらかした」エピソード

長谷川(ラボ): では、各社の「ワーストツイート」についても発表してもらいましょう。ロフトさんからお願いします。

畑山(ロフト):「ジンギスカンのジンくん」ていう札幌のゆるキャラが…、

social08

長谷川(ラボ): なんでまたゆるキャラ…。

一同: (笑)

畑山(ロフト): まあ、そういうゆるキャラがいまして、ロフトの全国ツアーというのが始まったんです。その皮切りとなる札幌店で記者会見をしたんですね。そのライブ中継をするときに、そのジンくんとは別の人気のゆるキャラが見きれるっていう…、

一同:

大成(ロフト): 伝わってない(笑)

畑山(ロフト): ツイキャスっていう動画でツイートをするというのがあって、それで中継をした時に、別のゆるキャラが見きれたというのが、「やらかしたツイート」、、です。

長谷川(ラボ): 今のは、記事に「面白くなかったから削除」ってわざわざ入れような(笑)ヴィレヴァンさんは?

本間(ヴィレヴァン): さっきお話した「Twitter大喜利」をハンズさん、ニッセンさんとやった時に、「わさビーフ」の山芳製菓さんと絡んでいたんですけど、悪ノリして「勝利者には山芳製菓さんからわさビーフが1年分贈呈されます(大嘘)」とつぶやいたら、本当に勝利者のニッセンさんに「わさビーフ」を4ヶ月分プレゼントしてくださったんです。軽いノリでそういうことを言うもんじゃないな、と反省しました。結果ウケたので、キャンペーンとしては良かったんですけどね。

緒方(ハンズネット): ニッセンさんがその写真を投稿して、またワーっと拡散してましたからね。

長谷川(ラボ): なんか失敗談じゃなくて、いい話になってるけど、まあいいや。じゃあ、パルコさんのやらかした事件は?

島袋(パルコ): インスタではない?

関口(パルコ): インスタはないですね。

長谷川(ラボ): なんかあるでしょ。ないの? Twitterは?

島袋(パルコ): 誤爆ですね。担当が、私的なツイートを企業のアカウントでつぶやいてしまった(笑) フォロワーの数名の方に気づかれて、メンション(Twitter上でのメッセージ)が入って気づくという…。

本田(ハンズ): メンションで気づくと血の気が引きますよね。誤爆の話したら、一晩中語れそう(笑)

島袋(パルコ): あと、エゴサーチしすぎて、企業名をつぶやいている女子高生アカウントにTwitter上でメンションをつけて話しかけすぎて、引かれるとか。「うざい」って(笑)

関口(パルコ): そんなことあったんですか?

島袋(パルコ): ある。やっぱりノッてくれる方とと、そうでない方がいてね。

本田(ハンズ): そこを読み違えるとへこむんですよね。

長谷川(ラボ): 無印良品さんは?

風間(無印): ないですね(笑)

長谷川(ラボ): また?。

本田(ハンズ): 風間さん、言ってるそばから笑ってるじゃないですか。

social09

風間(無印): いや、ほんとに。無印良品ですから。「毎日ちゃんと」ですからね(笑)
注:無印良品のTwitterは「まいんちゃんと」という謎のツイートをして大注目を集めたという事件がありました。その後、“「毎日ちゃんと」と入力しようとして誤変換のまま途中で送信してしまった”というフォローのツイートがされました

企業はLINEを使うべきか

長谷川(ラボ): Instagramが今来てるとか、アメリカだとそれよりも6秒動画のVineだとか、いっぱいあるじゃないですか。僕はmixiもやったことなくて、Twitterで初めてソーシャルメディアを体験して、その後Facebookをやるようになってもうお腹いっぱいという感じなんですよ。で、次は「写真だ」と言われてPinterestを見てみたんですけど、何をしたらいいのか全然わからん。Instagramも「何なの?」という状態なのよ。

social10

本田(ハンズ): めちゃくちゃ「お腹いっぱい」感が出てますよ(笑)

長谷川(ラボ): 日本だとやっぱりTwitterとFacebookが強い気がするんですけど、次にドーンと来るソーシャルメディアって、何だと思いますか?

一同: Instagramですね。

長谷川(ラボ): そうなんだ!

本田(ハンズ): Instagramだと思うんですけど、手が出せてなくて悔しいという思いも込めて、LINEも挙げておきます。

緒方(ハンズネット): 僕も、LINEはやりたいと思ってます。

長谷川(ラボ): LINEね! でもLINEて、メッセンジャーであって、タイムラインなんて誰も見てないという話もあるじゃない? それでもLINEはソーシャルとしていけると思っているということ?

緒方(ハンズネット): リーチという観点でいくと、メルマガどころの話じゃないと思いますよ。

長谷川(ラボ): LINEの公式アカウントって、年間2000万円くらいするじゃない。ソーシャルを一生懸命やる企業だったら、それでもアカウントを取るべき?
参考:LINE企業アカウント最新の料金表 http://linecorp.com/ads/

緒方(ハンズネット): ちょっとズレますけど、LINEの公式アカウント、LINE@をやるというだけが選択肢じゃなくて、「LINEビジネスコネクト」というのもありますよね。Amazonさんがやっている出荷通知をLINEで受け取れるサービスとか。あのAPIの利用も含めて考えると、LINEはもっと広義に、幅広くリーチできるプラットフォームということで、最高だと思うんです。

長谷川(ラボ): なるほどね。他の皆さんはLINEに関してはどういう意見ですか?

島袋(パルコ): 2013年に初めて公式アカウントを作って、スタンプも含めて関東エリアのTVCM投下額くらい使いました。2014年はやってなかったんですけど、2015年冬にまた再開したんです。その理由は、やっぱり圧倒的にスマホにリーチしたいという思いがあって。

social11

風間(無印): うちだと、スタンプまではできないですね。公式アカウントだけれども、一番ミニマムなやり方で、月一回メッセージでを送るくらいです。パルコさんはマス媒体での宣伝を結構やっていたという、それまでの情報の出し方の違いもあると思いますけど。

島袋(パルコ): そう、その置き換えで、ダイレクトに情報を届けられると考えると実は、そんなに高くないんです。

長谷川(ラボ): 僕がひとつ「まずかったな」と思っていることがあってね…。

本田(ハンズ): なんだろう?

長谷川(ラボ): 僕はTwitterで上手く行ったという体験があるから、「無料で◯◯」というのに毒されてるわけね。だからLINEが2000万と聞いたとたん「ふざけんな」と、頭からシャットダウンしちゃった。本田さんから「こんなのあるからやりませんか?」と相談がきたときに、「2000万も使って何するつもり?」みたいな否定的なメールを返しちゃったんですよね。今考えると「おっさんやったな、分かってなかったな」と。年間2000万も上手く使えばもっと利益を出せるという考え方もできたはずで、仮にあの時に乗っかっていたら上手く行ってたかもしれないな、というのは反省点ですね。

本田(ハンズ): あのプライシングは我々から見ると、ちょっとリスクが高いですよね。

風間(無印): それまでのソーシャルと横並びで考えちゃうとそうですよね。ぼくらやハンズさんのような小売業では悩ましい金額感ですが(笑)、マスメディアを積極的に利用してきた企業が、その横並びの考え方でやっているという面はあるかもしれないです。

長谷川(ラボ): なるほど(笑) ロフトさんは持ってるでしょ、お金あるから。ヴィレヴァンさんは?

本間(ヴィレヴァン): 2000万円の予算はないので、、ヴィレッジヴァンガードオンラインストアではLINE@をやっていて、リアル店舗でもお店単位でやっているところがあります。

長谷川(ラボ): ハンズも、店舗ごとに勝手にLINE@をやってる、というのはあるよね。
確かに、LINEをソーシャルメディアと捉えるのかペイドメディアと捉えるかで大きく違ってきますね。

緒方(ハンズネット): メディアと切り分けて捉えるというよりかは、ユーザーにどうリーチするかということを多角的にと考えるってことかなと。結果的にどっちもやっていたってことはあれど。

若者や海外に強いInstagram

長谷川(ラボ): じゃあ、Instagramの話に行きますけど、企業アカウントとしてInstagramと他のソーシャルメディア、例えばTwitterとの違いで注意していることってありますか? 例えばユーザーが違うからしゃべりは変えないかんとか。

関口(パルコ): 自分がおしゃれだなって思う画像を上げるということを意識してます。

長谷川(ラボ): 「私のセンスに合ってないものはダメだ」と。

関口(パルコ): (笑) こう言ったらおこがましいかもしれないんですけど、ターゲットは私の世代だと思うので…

長谷川(ラボ): 世代というよりは、私みたいなおしゃれな子が見てるから、オヤジは相手にしない、みたいな?(笑)

social12

本田(ハンズ): 発言を遮るのはやめましょう(笑)!

長谷川(ラボ): ちょっと教えてください。何度もインスタやろうと思ってできてないんですけど、あれって写真を上げるものなのか、それとも文章を上げるものなのか、それとも両方?

一同: 写真です。

長谷川(ラボ): 文章なしでいいの?

本田(ハンズ): なしでもいいんです。極点なことを言えば、文章なしでも伝わるような写真がないと、ダメです。

長谷川(ラボ): 文章だけというのはダメ?

島袋(パルコ): それはできないです。投稿のファーストステップが、写真をライブラリから選ぶか写真を撮るか、から始まるので。

social13

長谷川(ラボ): え、そうなの? 教えといてよ?。

一同: (笑)

関口(パルコ): パルコのアカウントでは、どこのお店の情報か分かるように、必ず文章も入れるようにしていますけどね。

長谷川(ラボ): なるほど。他にInstagramをやっているところは?
ヴィレヴァンさんと、ハンズとロフト、MUJIさんもやってるんですね。どういうところに気を使ってます?

本間(ヴィレヴァン): ハッシュタグはなるべく必ず付けるようにしてます。クリエイターさんの名前とか。

長谷川(ラボ): ハッシュタグを付けるのは、検索した場合に引っかかりやすいようにするインデックスみたいなもの、ということですね?

本間(ヴィレヴァン): そうです。それで検索されている方もいたり、ある人の投稿にハッシュタグが付いていて、そのハッシュタグを辿って別の投稿を見る、という見方もありますので。あとは、女性の写真を使うと「いいね!」されやすいので、ヴィレヴァンのInstagramは女性の画像が多いですね。
今はInstagramの投稿からリンクを貼ることができないので売上が上がることはほとんどないんですが、いずれ仕様が変わってリンクできるようになるという噂も聞いています。それまでにどんどんフォロワーを増やしていこうというのが、今の戦略です。

vvgd_instagram

ヴィレッジヴァンガードオンラインストアのInstagram

長谷川(ラボ): TwitterとInstagramのアクティブユーザー数って、日本だとどのくらいの比率なんですか?

本田(ハンズ): インスタは非公表なんですよ。Twitterは最近3500万だって言ってました。

長谷川(ラボ): アメリカだともうインスタが抜いているという情報もありますよね。皆さんの肌感として、今日時点の日本のTwitterユーザーが100だったとしたら、インスタはどのくらいだと思います?

本田(ハンズ): 8割くらいだと思うんですけどね。ただ、女性ユーザーに限って言うとTwitterを超えてるかもしれない。

風間(無印): インスタはアクティブだな、という感じはしますね。今無印良品のインスタは18万フォロワーなんですね。

一同: そんなにいるんですか!

長谷川(ラボ): 自慢話だったか! ちなみにTwitterのフォロワー数は?

風間(無印): 40万人くらいです。

長谷川(ラボ): 約半分くらいがインスタにきたと。

風間(無印): はい。でも僕個人は、やりながらもインスタの良さってイマイチ分かってないんですよ(笑)

関口(パルコ): でも、無印良品のインスタの苺のチョコの写真がすごく人気で、お店で売り切れたっていう話を聞きました。それでうちでも、「やっぱりビジュアルって大事なんだよ」っていう話になりましたよ。

muji_instagram
(話題になった「いちごチョコ」の投稿)

島袋(パルコ): 無印良品のインスタの投稿も全部風間さんが?

風間(無印): やってるんですよ。

関口(パルコ): すごいですね!

本田(ハンズ): Twitterと両方を同じ人がやると、その違いってよく分かりますよね。うちでは誰もインスタのアカウントを始めようとしないので、しびれを切らして自分でアカウントだけ取って、「テスト運用」ということでやってみたんですけど…。

関口(パルコ): そうそう、「ハンズさん、なんでこんなにフォロワーがいるのにテスト運用なんだろう?」って思ってましたよ。

本田(ハンズ): 恐いからです(笑) 自分が個人的に感じてるのは、Twitterの発信でも「ウソだけは絶対つかない」というポリシーでやっていて、自分が見に行ったこととか自分が知ったことのみを伝えるようにしているんです。Twitterって文字情報なので誰かから仕入れた話でも一次ソースがしっかりしていればそれを伝えるということができるんですが、インスタって画像ありきなので、自分が写真を撮りに行くか画像データを仕入れなければいけなくて、すごくハードルが高いんですよ。自分がお店に行って楽しいと思ったものの写真を撮るとかしないといけないので。その辺は、どうクリアしてるんでしょう?

風間(無印): 商品がいっぱいあるので、素材はたくさんあるんですよ。それはTwitterでもFacebookでも同じで、ネタ探しに困らないというのは恵まれていますね。ただ、「インスタではこの画像がいい」という感覚があまり分からなくて、そんなにTwitterやFacebookと内容を分けてはいないんです。なんとなく「これは興味持たれるだろうな」というのは少しわかってきたというところです。

本田(ハンズ): うちの場合、一番「いいね」が付いたのが、正月に投稿した富士山の写真という残念な結果で…。ハンズのアカウントなのに富士山の写真かよと。

social14

風間(無印): (笑) 春だったら桜の写真とかね。それはありますよね。

本田(ハンズ): だから商売に繋がる実感がなくて、上手いことやってらっしゃるアカウントの勉強をしているところです。

風間(無印): あるとき、インスタがすごく売上に影響してるっていうのが見えたんですよ。それが意外で。ソーシャルからの導線として、どうしても自社サイトに誘導しようとするじゃないですか。でも、そういう購買行動ではなくなってるんだな、というのがわかってきました。それまではソーシャルで情報を見て、Webサイトに行ってより詳しい情報を見て、その後ECか店舗で買う、という流れだと思っていたんですけど、もう自社サイトを介さないでも、インスタで写真を見て「いいな」と思ったらそのまま店に買いに行くという行動になってるんだなと。いちいち検索なんかしないんですね。

長谷川(ラボ): そうなの?

風間(無印): ええ。

本田(ハンズ): 無印良品さんが投稿してるというのは見ればわかるから、この商品は店に行けばあるんだなということで、即行動に繋がるということですよね。

風間(無印): そうなんです。行動のスピードが変わってきている感じがしますね。

長谷川(ラボ): さきほど本田さんからは、インスタのユーザー数はTwitterの8割位じゃないかという意見が出ましたけど、他の皆さんはどうですか?

島袋(パルコ): もっと低くて5割くらいかな、と思いますが、僕らの顧客層からすると一番効率がいいので、その範囲では100を超えている感じがあります。

長谷川(ラボ): ユーザー数ではTwitterに及ばないけれど、パルコさんの顧客からすると、コンバージョンレートはインスタの方がいいんちゃうかと。

島袋(パルコ): はい。

長谷川(ラボ): 無印良品さんはどんな感じですか?

風間(無印): グローバルで考えたら…、

長谷川(ラボ): グローバル!?

緒方(ハンズネット): グローバル企業!

本田(ハンズ): 出た! 嫉妬しちゃうな?

風間(無印): (笑) いや、でも画像だと言葉がいらないコミュニケーションが成立しちゃうんで、そういう意味でもインスタは伝わりやすいんだと思いますね。

長谷川(ラボ): なるほどね。でも、僕も45歳にしてはまだネットに親しんでる方だと思うんだけど、写真を上げて消費者が購買行動に出るなんて、普通の50,60代の人には考えられへんよね。意味わからんよね。

島袋(パルコ): 若い人はインスタで美味しそうなラーメン屋を探したりするみたいですからね。

関口(パルコ): あー、そうですね。

長谷川(ラボ): そうなんだ。でも写真中心ということで言うとPinterestも写真中心のソーシャルメディアだと思うんですけど、Pinterestとインスタの違いってなんなんでしょう。たぶん、インスタの方が成功してるんですよね? なんでなんですかね。

島袋(パルコ): Pinterestはアーリーアダプターでセレブ系のユーザーしかいなかったというのはよく言われますね。

本田(ハンズ): Pinterestは「自分の画集」みたいな発信の仕方だから、自分の趣味をもろに人に開示しているようなところがあって構えちゃうんですよね。

長谷川(ラボ): 確かにPinterestを見た時、「うちの人間でこれを投稿できるクオリティの人間はおらん」て思ったね(笑) Pinterestはアーティスト系じゃないと上げちゃいけないような雰囲気も合ったような気がします。
でも、商業的な観点でいくと、ECサイトにダイレクトにリンクができたりとかPinterestの方が一生懸命やってると思うんですよね。なのにインスタの方がこれだけ使われているというのはなんなんですかね。

本田(ハンズ): Instagramはリンク貼れないのにね。

島袋(パルコ): インスタは写真加工のフィルターがおしゃれ、とかもありますよね。

本間(ヴィレヴァン): Pinterestはプライベートなものはあまり載せないという傾向が強いかもしれません。Instagramの方が、より日常的な感じがします。

島袋(パルコ): 確かに、Pinterestにラーメンの写真は上がらないですよね。

本田(ハンズ): 自分で撮った写真を上げるという意識がほとんどないんですよ。Pinterestはリピン(他の人の投稿を再投稿すること。Twitterでいうところのリツイート)するもの、という感じで。

長谷川(ラボ): さっき無印良品さんがグローバルって言っていたけど、売上の30%くらいは海外?

風間(無印): そうですね。

長谷川(ラボ): カッコいいな?。その中で、ソーシャルの多国語対応はどうしてるの?

風間(無印): 各国の対応はそれぞれの国の中に任せてるんです。ただ、一応ざっくりとしたガイドラインを決めて共有するくらいですね。

長谷川(ラボ): 言語は何で発信してるの?

風間(無印): その国の第一言語です。英語、中国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、アラビア語、ポーランド、ポルトガル、タイ、韓国…

長谷川(ラボ): もう思い出せないくらいやってると。そういうところが感じ悪いな?。

social15

一同: (笑)

本田(ハンズ): 現地にお店があってそこの人がやってるからできるんですよね。店がない地域でTwitterやっても届かないですよね。負け惜しみですけど(笑)

ソーシャルメディアがマスメディアを超える時代は来るか

長谷川(ラボ): ちょっと皆さんに占っていただきたいのですが、マスメディアを今までのテレビを中心としたメディアとして、対するソーシャルメディアをTwitterもFacebookもいろいろ含めた総力で捉えると、コンバージョン、つまり広告なりツイートなりを見て買う人の数でマスメディアをソーシャルメディアが超えるのは、何年頃だと思いますか? あるいはそういう時は来ないのか?
ここは先輩格の無印良品さんから行きましょうか。

風間(無印):当分ないんじゃないかと思いますね。ある特定のソーシャルアカウントを持っていないと暮らしていけないくらいの状況になるとすると、あるかもしれないですけど、TwitterやFacebookのアカウントを持つ必要がなく一生過ごす人もまだまだいるので。テレビの影響力はいまだに大きいし、情報収集の手段は細分化していく方向にはあると思いますけど、ひとつの何かが大きな影響力を持つというのはないんじゃないでしょうか。

長谷川(ラボ): You Tubeとかも含めた総力で、テレビを超えるかということですよ。さっき購買人数で超えるか、と言いましたけど、費用対効果ということでもいいです。そうなるとどうですかね?

風間(無印): 対マスメディアということで言うと、無印良品の場合はアプリがあって、その情報のリーチ力ってソーシャル以上なんですよね。でもテレビはテレビで、CMだけではなく、「ヒルナンデス!」に出ましたとなるとものすごく売れちゃうんで。それはソーシャルは全然かなわないんですよね。

長谷川(ラボ): じゃあ、無印良品さんはソーシャルはテレビを超えないと?

風間(無印): はい。

長谷川(ラボ): 緒方は?

緒方(ハンズネット):僕もテレビを含めたマス、は超えないと思うんですよね。

長谷川(ラボ): それは、自分たちが生きているうちは一生超えないという意味?

緒方(ハンズネット): 一生と言ったら…、うーん、ちょっと考えている間に先輩にパスします(笑)

長谷川(ラボ): 先輩は?

本田(ハンズ): 占い、ってことなんではっきり言い切っちゃうと、10年後には超えると思います。個人対個人みたいなメディアがマスメディアを追い越す時代はいつか来るとは思うんです。でも、マスメディアのパワーは巨大過ぎて、いつというのはなかなか考えづらい。さらに2020年には自国内でオリンピックが開催されて、オリンピックの情報を発信するのはテレビなので、そのときにテレビの力はまた強まると思うんです。でも、マスメディアが発信の方法に工夫を凝らさずにそこにあぐらをかいてたら、いつかはダメになるかなと。例えば4Kとか。解像度高くしたら録画できなくするとか言っているのを聞くと、「そんなことしてたらいつか追い越されますよ」と思うので、まあ2025年くらいには超えるかなと。

social16

長谷川(ラボ): なるほど。じゃあ、この中で、ソーシャルメディアはマスメディアをいつか超えると思ってるのは?
東急ハンズ本田さん、ロフトさん、ヴィレヴァンさんは超えると…。

風間(無印): 僕も今の話を聞いていて、こういう兆しはあるなと思ったのが…、

長谷川(ラボ): 流されとる(笑)

風間(無印): いや、僕は3人子どもがいるんですけど、彼らはYouTubeを見ることとテレビを見ることって同義なんですよ。ヒカキンを見るのと嵐を見るのは一緒というか、どっちも同じ有名人という感覚なんです。僕なんかにはその感覚はないんですけど、その垣根がなくなっていくのかなと考えると、結構ありえるのかなと。

長谷川(ラボ): なるほどね。今はお子さんですけど、中学、高校、大学生となってきたら、彼らが購買者になっていきますからね。じゃあ、ようするにソーシャルメディアが追い越すってこと?

風間(無印): はい、そうですね(笑)

長谷川(ラボ): じゃあ、パルコさん以外はみんな追い越すと。パルコは?

島袋(パルコ): 僕は元電通の佐藤尚之さんの言っていることに影響されているんですけど、届けたい人によってメディアが違うんだということで、それは時代が変わっても同じだと思うんです。テレビで生活していてお金もある僕の親世代がまだ10年後は元気でしょうし、テレビの影響力はなくならないと思います。ただ、おっしゃるようにうちの上の子は7歳でYouTubeでヒカキンとかマイクラを観てるので、その世代からは変わってくるんでしょうね。

長谷川(ラボ): じゃあ皆さんから、「テレビがこうなったら、もっといけるのに」というアイデアはありますか?

緒方(ハンズネット): 僕がさっきちょっと考えたいと言ったのは、まず前提として優秀なコンテンツを作るという点ではテレビはやっぱりすごいですよね。その上、テレビはどっちにもリーチできるんですよね。例えば、電波で放送ができて、最近だと放送が終わったとたんにYouTubeにも上げてたりする。だから彼らのほうがピボットというか多角化しやすいと。テレビがソーシャルとかWebの活動をもっとガチでやったら、しばらく勝てないと思いますね。地上波テレビへの参入は逆に、難しいですから。

social17

本田(ハンズ): そうそう。だから商売っけのないNHKの取り組みが一番勝者に近いですよね。かなり視聴者の方に寄り添ってきて、成功例を生んでいるので。

緒方(ハンズネット): 物を買わせようという話で言うと、You Tubeにはタグを付けられるので、番組をYou Tubeにあげて、出演者が来てる服はこれといった形で購買につなげることもできます。これは単なる手法の1つですけど。そうなるとテレビの力は強いですよ。

本田(ハンズ): 想像なんですけど、テレビの制作をしているのは僕らと同じ30代、40代で、彼らはソーシャルメディアのこともなんとなく理解し、そっちによっていきたいと考えてそういう制作物を作るんだけど、経営層がまだ分かってないんじゃないかと。彼らがソーシャルとかWebを敵視しているうちは伸びしろがないのでしょうけど、今の経営層が引退して、ソーシャルやWebの強さを分かっている人間が上に行ったら、マスメディアって恐いなと思いますよ。

緒方(ハンズネット): そう。なので、多角化の可能性はすごくあるはずなんです。個人的な結論は、新規顧客の獲得はマスメディアが強いのは引き続きで、顧客との深い関係の育成は「MUJI passport」とかLINEみたいなのでやって、という棲み分け、メディア・トライブに合わせた出し分けの世界なんじゃないかな、と。それはデジタルもリアルも。

長谷川(ラボ): 今の大学生は一人暮らしするときにテレビ買わへんらしいよ、とか情報として耳には入ってくるけど、肌感ではなかなか理解できないよね。でも確かに、うちの子どもを見てると変わってくるような気がしますよね。

ソーシャルメディアの影響でプッシュ広告の重要度は変わる?

長谷川(ラボ): Webのページを開くとバナーがありますよね。でも、我々の世代はテレビで飼いならされていて、少なくとも15秒、強制的に動くものを見せられなければ頭の中に入ってこないというのが、僕の仮説なんです。ちょっとバナーがあったところでスルーしちゃうんじゃないかと。
今の現状は、ソーシャルってプルですよね。クリックしたらたまたま誰かが商品を話題にしていたとかいうことはあるけれども、クリックするまでは何も見せられない。一方でテレビは、プッシュで強制的に15秒なり30秒なり流れてくる。一個人としては、プッシュはうざいからなくなればいいと思うでしょうけど、購買させるという目的において、プッシュは不可欠なのか、そうでもないのか? 商売人としての意見をお願いします。

緒方(ハンズネット): プッシュのいいところのひとつは、刷り込みによる第一想起率を上げられるということですよね。CMで「消臭力、消臭力」って聞いて知ってるという状態で、友達がTwitterで「効き目あったわ?」とつぶやいているのを見て、「じゃあ、買おうか」となるのはソーシャルをプルとするなら、プッシュとプルの複合で、元々の刷り込みがなかったら買わなかったかもしれないですよね。逆に、プル側が今後どうやっていくべきかというと、いかにプッシュに見えないプルを磨くかということに尽きると思ってます。

長谷川(ラボ): プッシュに見えないプル?

緒方(ハンズネット): 宣伝なんだけど、それがコンテンツであるっていう世界です。

長谷川(ラボ): なるほどね。でも、そもそも必要ないと思ってる人にプルさせるのは難しいよね。「消臭力」の例で言うと、「俺んち臭いかもしれない」と思ったことのない人はクリックしないよね? プッシュのいいところって、気づかなかった人に気づかせるというところなんじゃないかと思うんだけど。

緒方(ハンズネット): そうです。臭いという課題を抱えた人は、今だったら検索という行動をするんですね。気づいていない人に関しては、「必要だと思っていなかったけど、なんかちょっと消臭してみようかな」という体験の提案をする、「広告に見えないコンテンツ」を配信する、文脈とペルソナを分けてWEB上に散りばめておくというプルのアプローチ重要なんじゃないかと思うんです。例えば、良いインテリアを作るという一連の提案の中で、マナーのひとつとして消臭も後押しをするというようなことが考えられますよね。入口はインテリアだけど、気づいたら消臭剤をプルされていたと。

長谷川(ラボ): うん。でも結局のところそれって、ソーシャルを使ったプッシュの気がするんですね。元々興味があるからクリックするというのがあるでしょう。「誰々が言うから」とか。

緒方(ハンズネット): ソーシャルに関して言うと、文脈によってプッシュの場合もプルの場合もあるってことはあるかなと。で、友達がいいと言っているから買うという購買行動は、今後めちゃくちゃ増えると思っていて、それは友達が過去に「いい」と言っていたというのが、後から考えるとプッシュだった、ということもあるということになるんでしょうね。
プッシュに見えないプルの話とはまたちょっと別です。

長谷川(ラボ): 他の皆さんは?

大成(ロフト): やっぱり役割分担ですよね。プッシュなしは難しいでしょう。プッシュで気づきを与えて、プルで連想させるみたいな。

長谷川(ラボ): じゃあ、ここ5年でいくとどちらが主流になるでしょう?

本田(ハンズ): 割合の問題じゃないと思うんですよね。お客さまにとっては、プルで情報を仕入れたと思ってもらうよう、こちらから言うと錯覚させるというか…。「俺が仕入れた情報によると、この商品が一番いいらしいぜ」という感覚で満足して買ってもらう方向にプッシュする。だから今のやり方で究極なのは、さっき風間さんがおっしゃっていた「ヒルナンデス!」で言ってもらうことなんですよ。

長谷川(ラボ): なるほどね。たとえばレコードに詳しいカフェの店長がいて、「お前あれ聴いたことある?」というのはプッシュなんだけど、聞かれた方が「それなんですか? 聴いてみたい」というのはプルの気持になっていると。でも、その第一のプッシュがテレビなのかということですよね。

本田(ハンズ): 今はテレビが最強なんですよ。例えば『茂木和哉』という商品がありますけど、あれ単体で言えばものすごい爆発しましたけど、ワンシーズンで億の単位まで行くというほどの影響力はないんです。でも、あれが爆発したおかげで売れた関連商品まで含めると、ものすごい影響力だったんですね。

DSC06334

長谷川(ラボ): 東急ハンズ大儲け?

本田(ハンズ): はい。

長谷川(ラボ): 確かに、関連商品というのは重要なところですよね。

本田(ハンズ): メディアでは単体を押してくれて、それで人を呼んでもらったら、店では「『茂木和哉』をこのスポンジに塗ってこすったら最強ですよ」みたいな売り方が工夫できるかどうか。その現場力が問われるということです。

長谷川(ラボ): なるほど。確かにね。

島袋(パルコ): 僕は、プルとプッシュがシームレスになっていくのかなと。秀逸だった事例は、「M-1グランプリ」の時にユニクロさんがやった、漫才の中でユニクロの商材が巧妙にアピールされているという、クリエイティブとして成立しているもの。広告自体がこういうコンテンツになっていることに価値が出てくるんじゃないかと思うんです。

social19

緒方(ハンズネット): 僕はそれは違うと思っていて、あれは単純にタイアップ型プッシュ以外の何物でもないかなと。売り場で考えると分かりやすくて、「ここにこんなに良い商品が入荷しました!」とメガフォンを持って叫んでるのがプッシュで、それがあって初めて売り場に来る、見るという人もいますよね。プルはそこにある売り場で、呼ばれて来る人も、自ら来る人もいます。その売場で良い商材がきれいにディスプレイされているという押し付けがましくない状態がプルなんです。で、さっきの話に戻ると、あれはプッシュの形を変えているってことなんじゃないかなと。

本田(ハンズ): 「広告だと分かるけど単純に面白い」とか、「乗せられている自分が気持ちいい」という消費者もいると思いますよ。

緒方(ハンズネット): もちろん。プッシュかプルかという話だとプッシュだよねという話がしたかっただけで、「広告だと分かるけど単純に面白い」に加えて、不快感の緩和という意味では、このやり方は大アリだと思います。意識すべきは「気持ち良いものとなっているかどうか」ですよね。

長谷川(ラボ): 賞味のところ、本当に自分で選んでいる消費者って2割で、8割は買わされてるんだと思うんですよ。本当に分かってる人、こだわりのある人は2割くらい。ジンギスカンが流行って、太らないからラム肉を食べるべきだということになって、しばらくしたら消えていったり、そういう流行りすたりも含めて楽しもうよというのが8割で。でも、人間ってそういうもんじゃん、それでいいんじゃないかなとね。
ヴィレヴァンさんはどうですかね?

本間(ヴィレヴァン):ヴィレッジヴァンガードって日常生活に必須ではない商品を売ってる場所なんで、あまりプルで訴求するっていうのは難しいです。すぐに買う必要のないものを売るという時にプッシュってめちゃめちゃ大事だと思っていて、プッシュしたそのときに買われるというものでもないんですけど、ひたすらやっていると、例えば「友達の誕生日のプレゼント買おう」というときに「そういえばこんなものあったな」と思い出してもらうのにプッシュは役立つんですよね。

緒方(ハンズネット): 僕、ヴィレヴァンさんの店頭の手書きPOPは最強のプッシュに見えないプルだと思ってるんです。プルでかつ、店員の体験をねじ込んだプッシュでもあって。

風間(無印): ソーシャルのタイムラインみたいなものも、ゆるやかなプッシュだと思うんですよね。何か発信を続けないと届かないので、発信していくからこそそこから生まれる何かがあるんだと思うんですよね。

長谷川(ラボ): 皆さんの意見としては、プッシュとプルってそんなに割り切れるもんじゃないということですね。プルに見せかけたプッシュとか、あるいはソーシャルに見せかけたマスとかもあると。そういうもっと複雑化したものも含めて、やっぱり向こう10年ソーシャルは伸びていくと思われる方、挙手お願いします。

(一同挙手)

長谷川(ラボ): 全員ですね。
いずれにしても、お客さんが気持ちよく商品を買って、気持よく使って、いい生活を送って欲しいというところは、皆さん同じだと思います。ここにいるのは、それを一生懸命考えているスーパースター軍団だというところで、今日締めましょうか。どうも長い時間ありがとうございました!

Social20


  • IT酒場放浪記 記事一覧
  • エンジニア募集中!