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長谷川秀樹のIT酒場放浪記 第25回 アビームコンサルティング 本間充さん


ハンズラボCEOの長谷川秀樹が、エンタープライズ系エンジニアが元気に働ける方法を探し、IT業界のさまざまな人と酒を酌み交わしながら語り合う本対談。第25回のゲストは、10月に花王からアビームコンサルティングに電撃移籍を果たした本間充さんです。本間さんが9月まで代表理事を務めておられた「Web広告研究会」の話から、マーケティング、日本人のキャリア論まで、本間さん独自の視点で語っていただきました。

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Webマーケティング業界のユーザーグループのトップは本間さんだった!?

長谷川: 本間さんと知り合ったのは、「Web広告研究会」と「ブランドサミット」がきっかけでしたね。

私は、2010年度から東急ハンズの通販事業部長になってECのことを勉強しているときに「Webという分野の業界構造ってどうなっているんだろう?」と思って、ネコメシ(http://necomesi.jp/)の森田雄さんに「どういうところで勉強したらいいですか?」と聞いたら、「Web広告研究会に入れば?」と言われたんですよ。それでWeb広告研究会に入り、しばらくしたら「ブランドサミット」参加のお誘いがありました。

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「Web広告研究会」のWebサイト

本間:僕が関係者と一緒に長谷川さんを口説きに行ったんだよね。ブランドサミットはクローズドな勉強会なんだけど、ブランド側の立場できちんとはっきり分かりやすく話す人ってあまりいない。長谷川さんは竹を割ったようにパツッと言うでしょ。だから、ぜひ長谷川さんに入ってほしいなと思って。

長谷川: それでブランドサミットに行ってみたら衝撃的で…、誤解を恐れずに言うと、自己啓発セミナーか宗教団体のような雰囲気があるんですよ。

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本間:いきなり全員で、「みんな、ブランド最高だよね!」とか言いかねない感じね(笑)

長谷川:のっけから司会者が英語でまくし立てるから、「え?」とびっくりしているうちに、「Stand up!」とか言われて、隣の人同士名刺交換を始めるわけ。それまでいた情シスの世界って、司会者がそうやって煽っても恥ずかしがって従わないような雰囲気があったんだけど、そこは恥も何もない海外みたいなノリで。

本間:日本のカンファレンスってすごく受け身で、一日座って話を聞いていたら終わり、あとは懇親会でちょっと「お互いどうですか」なんて話すくらいのことが多いからね。

長谷川:それが、全く違うノリで盛り上がってるから、「これは一体なんなんだ!?」と思うと同時に、絶対この場を仕切ってる主がいるはずだと考えたんですよ。そしたら本間さんが、「ほらみんな、こっち行くぞー」とか言ってみんなを先導していて、「この人が黒幕なんだな」と。アドテック東京のときもVIP席みたいなところで密談してるし、Webマーケティングのユーザー企業軍団をトップで仕切ってるのは本間さんなんだと理解しました。

本間:違う違う(笑)

長谷川:あと、大和ハウス工業の大島さん。この2人は、ヤバいなと。あと、一見ちゃんとした枠で、サントリーの坂井さん、ライオンの中村さんとかね。ブランド側では。

「ムラ化」を避けるのがコミュニティを形骸化させないコツ

長谷川:後になって、ブランドサミットもアドテック東京もWeb広告研究会が母体になっていると聞きましたよ。

本間:いや、実態は何もないんだよ。

長谷川:でも、すごくたくさんの人が集まってますよね?

本間:それは、ほかに集まる場がなかったからですよ。ブランドの人たちって、あんまり転職もせずにずっと同じ会社にい続けるから、外に出て何かをやるということが少ないので。

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長谷川:なるほど。みなさん最初からあんなに仲良かったんですか? Facebookを見てると、違う会社同士の人がよく飲んでますよね。

本間:うん、仲良いのは確かなんだけど、若干仲良しグループになりすぎて、新しくきた人には閉鎖的に見えているという面もあるんだよね。だから僕が代表幹事になった時に、事務局とは「仲良しグループで同じ傷を舐めあっている集団になったらやめようね」と話し合ったんです。各委員の長にも、委員会の活動後に必ず飲み会をセットするのもやめてくれとお願いしました。

長谷川:じゃあ、活動とは関係ないところで自主的に飲んでいるということですね。

本間:そう。「飲み会がWeb研の目的じゃないよ」ということで、僕はなるべく飲み会には出ないようにしてきたんです。寂しいけどね。

長谷川:なるほど。今、AWSのJAWS-UGというユーザーグループに参加していますけど、僕なんかは楽しければいいじゃんと思ってしまうところがあって、楽しい方に走り過ぎて時々運営側から止められることがありますね。「そういうのが本論じゃないから、その辺でちょっとやめておきませんか」と。

本間:ネットワーキング自体は悪いことじゃないんだけど、「ムラ」というか、閉鎖的な雰囲気を作るとまずいからね。

長谷川:JAWSでも、全く同じように言ってますね。本人たちは楽しくても、新しい人たちが入りにくくなっちゃうから、とね。

日本の社会人はもっと学ばなければいけない

長谷川:それにしても、企業の集まりとして、Web研ほど一生懸命やってるのは珍しいですよね。

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本間:みんなちゃんと、月イチとかで委員会を開いてくれていますね。

日本人て、会社に入った途端勉強しなさすぎる人が多いと思うんですよ。海外だとシニアマネージャー以上がよく勉強するし、経営層もマネジメントだとか違う世界のことだとかを学ぼうとするじゃないですか。日本は順番に上がっていくだけだから、社内政治はうまくなってもスキルはあまり学ばない。それはちょっと気になっていたんで、Web研でもみんなに勉強してくれって言ってきたし、「ブランドサミット」みたいなイベントもそういう意図で参加してきたわけです。

長谷川:なるほど。ITの世界でも、ユーザ企業の人ってあまり勉強しないで代理店やベンダーさんに提案させすぎだというのが僕の意見です。例えばオムニチャネルってそんなに難しい概念でもないし、現場にいたら「うちのオムニチャネルってこうだね」と、すぐに結論が出るはずです。それをコンサルティング会社とかに「うちのオムニチャネル戦略の提案をしてくれないか」と頼むのは、どうかしてると思うんですよ。もっと前の時代だと「うちのシステム化方針を立ててくれ」とか、丸投げしすぎだろうと…。

本間:自己紹介するとき、日本人は名刺の肩書を説明するけど、「何をどのくらいやったか」ということは重要視しないでしょ。そういうところがあるから、自分がやらずに外の人にやらせても自分の手柄になっちゃうということがあるよね。

長谷川:ほとんど丸投げで自分は判子押しただけという人と、相当のところまで自分で考えて実行した人と、外から見るとなかなかわからないけど、全然違いますよね。

本間:全然違う。だからWeb研は、特に若手にどんどん実行の機会を与えるようにしてきたんです。「あいつにはまだ早い」みたいなことを言う人もいたけれど、会社の中でまだ機会がない若手だからこそ、Web研でやらせてあげないと伸びないからね。

長谷川:本間さんには、若い人の世話を焼くという部分がありますよね。東大で数学を教えてたりとか(※)。それはどこかで先生という職業に就きたかったというのがあるんですか?
(※本間さんは東京大学大学院数理科学研究科の客員教授として、大学院生に数学を教えていらっしゃいます。)

本間:チャンスをもらったら、それも自分にとってのトレーニングだからやろう、という考え方ですね。よほど自分の本業に変調をきたさない限りは受ける。それと、確かに最終的には、教育とか若者育成というキャリアに進みたいという気持もあります。

長谷川:やっぱり! 相当な労力や時間がかかるでしょうから、自分の知識をほかの人に伝えたいという気持がないと難しいでしょうね。

本間:でも、自分が得る学びの方が多いですよ。人に教えようとすると、なんとなく知っているということを体系づけて整理しなければいけないので、それをする機会を得られるというのは、自分にとってのメリットです。

事業会社からコンサルへの転身の狙い

長谷川:花王では、どういうキャリアを歩んできたんですか?

本間:研究員、マルチメディアデザイナー、ウェブサーバーエンジニア、HTMLコーダー、デジタルマーケティングという形で23.5年の間、花王にいました。インターネットの部署を作ったのは2000年だね。

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 長谷川: それで、どうしてコンサルに? 事業会社への転職も考えていたんですか?

本間:最初は事業会社も選択肢にはあった。ただ、僕を求めている事業会社は2極化していて、ひとつは既にデジタルとかWebのチームがあって、「チームを強化したいのでメンバーとして入ってください」というタイプの会社。

長谷川: 本間さんをメンバーとして入れるなんて、そんな会社あるんですねぇ。

本間:あるある。Yahoo!とかGoogleとかAdobeを出たような人たちがいて、このメンバーを支えるために入ってくれという、すごくレベルの高い会社ね。もう一方は、まだ小さい会社で、今からWebやデジタルのチームを作るんですという会社。その中間というのは、責任者クラスのポストが空いてないと呼べないから、難しいんだよね。

長谷川: たしかに。

本間:レベルの高い方の会社は、正直僕が行かなくてもその組織は回ってると思うんだよね。これからという会社の方は、チームビルディングに3年位かかるとすると、僕はその頃50歳を超えている。「このチームを一人前にしました」ということの後に次があるかと言ったら、ないじゃない? そう考えると、今事業会社に行くのはあまり得策じゃないと思って。

で、もうひとつはさっき言ったように、最終的に教育的な現場に行こうとするなら、たくさんケースを見た方がいいと考えたんです。そのために代理店や制作会社というのもあるけど、そこに行くと「天下り」って言われるから、コンサルだと。

長谷川:あー、なるほど。確かにいろんなケースを見る、ということだとコンサルはぴったりきますね。

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本間:しかも今の会社は、僕がアイデアを言ったら「それは是非やってくれ」と言ってくれたからね。

長谷川:最近PwC(PricewaterhouseCoopers)が広告部門でかなりの収益を上げているなんていうニュースもありましたよね。コンサルティング会社もそういうことをやっていく時代だと。だけどコンサルティング会社にWeb広告とか分かる人なんていないから、まさに本間さんみたいな人がぴったりはまるわけですね。

本間:PwCの話って、もともと代理店とクリエイティブエージェンシーがやってたことを内製化しただけなんだよね。クライアントにワンストップで提供するという意味では価値があるけど、旧来からのインターネットの中抜きモデルでしかなくて、コンサルがやることかなと僕は思った。コンサルにはコンサルの、別の価値の出し方があると、そんな話を今の会社の役員クラスの人にしたらわりと理解してくれてね。

長谷川:本間さんのやりたいこととかコアコンピテンシーが、会社と「ピッタリ」とは言わないまでも「ほぼ合ってる」くらいになればいいですよね。僕もコンサルティング会社にいたのでちょっと心配なのは、コンサルティング会社って本間さんみたいな上位職の人を採用すると、「コイツが仕事を持ってきてくれるんじゃないか」と勘違いしているところがあると思うんですよね。

本間:「人脈もキャリアもあるから、すぐ仕事取ってこれるだろう」みたいなね。売上は重要な指標だから、「アイツを採用したコストに対していくらで返してくれるのかな」という考えはあってもいいとは思う。もう入社2週間だから、外資だったらそろそろ仕事1本くらい取ってこないとおかしいって話になるよね。ただ、うちの会社は日本企業で、100%成果報酬型ではない珍しいコンサルティングファームなんで、わりと慎重に考えてくれているね。

長谷川:まあ、特に今回は新しい領域を作るという目的で本間さんを採用したんでしょうから、事業をちゃんと育てていこうという意識はあるかもしれないですね。

その上で本間さんは、遠慮せずにこれまで培ったネットワークを活かしていろんな会社に行った方がいいと僕は思うんですよね。例えばライオンさんに「こういうデジタルの事業を始めるんで…」という話をしにとか…。

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本間:それはぜひやりたいと思ってるよ。付き合いのあった人たちだからこそ、僕が新しく考えたサービスがイケてる、イケてないを言ってくれるはずだし。

長谷川:じゃあ、安心です。もしかしたら営業行為っぽいことを遠慮されるんだったら残念だな、と思っていたので。

まずはお互いディスカッションして、「いいことはどんどんやろうよ」というようなノリになればいいですよね。

本間:そうそう。まずは率直な意見をもらって、こっちもブラッシュアップしてまた提案に行く、それがある意味営業になるわけだからね。

長谷川:そういう中で、どういうサービスを作っていこうというのはもう決まってるんですか?

本間:今は言えない。もう方向は定まってるけど、企業秘密だね。

長谷川:なるほど〜。じゃあ、どんなソリューションなのかまだわかりませんけど、うちの東急不動産グループのニーズに合うんだったら、担当の部長を紹介しますよ。

本間:ぜひぜひ。いろんな人とディスカッションしてフィードバックをもらいたいです。

ハイピークのシェアのみを追う一般消費財メーカーのマーケティング

本間:最近すごく嫌だなぁと思うのが、海外企業のマーケティング部門が、日本のマーケッターの足元を見始めているの。日本は「なんちゃってマーケッター」が多すぎて、「あいつらマーケッターじゃないな」と思われ始めてるんだよね。もっときついことを言うと、「日本ではマーケティングの仕事はない」と撤退する会社が出始めてるみたいで。それはコンシューマーにとってもマーケティング部門にとっても、得じゃないよね。

長谷川:よく中国市場についての話をするときに、P&Gは極端な話し数年で勝負をつけるがごとく赤字でも、最終的なマーケットシェアの目標値が高いからそこにいくまで、ガンガン広告を打ち続けてマーケットを取りに行くけど、日本のメーカーは、恐る恐る広告をうって様子をみる的な話しがあるじゃないですか。あれは、外国人と日本人の考え方の違いなのか、どこから出てくる違いなんですかね?

本間:マーケティング部門に中計がないからでしょう。IT部門は中計があるから、投資償却がちゃんと発生しているよね? マーケティング部門においては、ブランド価値をコスト換算していないから、「償却」という概念がまるでない。いつも3ヶ月とか6ヶ月のワンクールの話しかしないもん。

長谷川:じゃあ、中国に限らず、これまであまり行ってなかった国があるとして、そこに行くのに5年スパンでこれだけのお金を使ってマーケティングして、売上はこれだけだから、最初は赤字でもこの辺で黒字になる…、そういう議論は、コンシューマーパッケージの世界ではあるんですか?

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本間:経営者は求めてるけど、事業担当者は描けないと思う。マーケティング部門の人たちは優秀でデスクワークはすごくできて、みんな「ヒト・モノ・カネ」は重要ですと言うわけ。でも、そう言うなら本来ローカライゼーションするのに2年後くらいにはマーケの要員を現地の人達に置き換えたりしなきゃいけないよね。そんな投資計画はマーケティング部門にはなくて、広告予算くらいしかマネジメントしない。相手の国での採用は人事部に放り投げるんですよ。責任者は「ヒト・モノ・カネ」すべての責任をもたなきゃいけないのに、広告の計画は立てるけど、ほかの計画は立てない。

長谷川:MBA的には、一定期間赤字でも打ち続けることで、あるときを境にぐっと伸びていく、というような話があるじゃないですか。そういう話ってされていないのかな、と思って。

本間:ほとんどしてないんじゃないかな。過去データを見ると新製品ローンチのタイミングが一番売れるし、マーケティングコストもかけるじゃない? 当然その後は、キャンペーンが終わりますとか、お店とのタイアップが終わりますということで、一時期下がるんです。本来は下がった後の安定期を見るはずなのに、なぜかマーケティング部門は一番高い天井をどれだけ積むかしか興味ないんですよ。持続可能なマーケティングをしているわけではないんだよね。嫌な言い方をすると、Twitterのバズワードランキングで1位になったことが1回でもあると、すごい優秀ということになっちゃう。

長谷川:本間さんがそういうのなら、ほとんどの日本のメーカーはそんな感じなんでしょうねぇ。

本間:旅行代理店とかはロイヤリティマーケティングをしていますよね。何人入って何人やめて、常に残っている人は何人で、と。このブランドスイッチをしない固定客を維持するためのマーケティングをすればいいのに、全体のシェアのピークだけの議論をしている感じはあるな。

これからの時代、仕事人生の終わり方も含めたキャリアデザインが必要

長谷川:転職を考え始めたのはいつ頃なんですか?

本間:前の会社のヤツが聞いたらショックを受けるかもしれないけど、去年の今頃からだね。それでも遅すぎたと思うよ。本来は10年刻みくらいでキャリアプランを立てるべきだと思うんだけど、日本にはキャリアデザインという考え方がまだまだないよね。

今、一般的なサラリーマンはどんどん定年が伸びる方向で、食い扶持がなくならないという意味ではハッピーだと考えてると思う。でも、「本当に同じ会社に40年もいるの?」というのは考えなきゃいけない。就職するまで、ひとつの組織に一番長くいたのって、小学校の6年間とか、大学で留年して8年とか、大学院のドクターまでいても9年とかでしょう? ひとつの組織に10年以上いたことないのに、社会に出た途端40年以上もいるって、若干いびつだよね。「中学デビュー」とか「高校デビュー」とかっていう言葉あるのって、切れ目があるから自分をリステージして成長できるってことでしょう。社会人になってからリステージの機会がないのはハッピーなのかというと、俺もちゃんと転職した方がいいな、と考えたんだよ。

長谷川:そうですよね。

本間:しかも今48歳ということを考えると、もう時間がない。50歳過ぎてから転職しようと思っても、同じ会社に25年もいたというのはネガティブ要素になっちゃう。「25年いたんだったら、どうしてあと10年我慢できないの?」とか、「ここで辞めるってことは、よっぽど何か問題を起こしたのか」とか思われるわけだから。そういう意味でぎりぎりな歳で、48歳のうちに決まらなかったら、もう転職するのはやめようと決めてたの。

長谷川:確かに、昔は伸び続ける需要に応えていれば会社も成長し続けて、社員もその中にいれば給料が上がり続け、定年までいればハッピーだったと。今は違いますよね。

本間:会社も自分も伸び続ければいいけど、今は会社はステーブルだけど自分は伸びたいという状況で、「じゃあどうするの?」というのを考えなきゃいけないよね。

長谷川:うんうん。

本間:だけど、多くの人が、転職するという選択肢を持ち合わせてない。だから僕に「なんで転職したの?」と聞いてくるとき、「転職する意味あるの?」という意味で聞く人が多いんですよね。長谷川さんはさっき、「どういう目的で」という意味で聞いたんだと思うけど、多くの日本のサラリーマンタイプの人は、「何かあったの?」と。

長谷川:なるほどね。今度、日系企業で結構成功してきた上で転職するという人たちの座談会みたいのをやりたいですね。外資のジョブホッパーの人は、まあいいんですけど、日系企業でも、もっと人材流動性を高めた方がいいんだよ、というようなテーマでね。

本間:うん。この後、定年が67歳くらいまで伸びるわけでしょ。そもそもサラリーマンで終わるべきなのか、どこかで事業を起こすのかとか考えなきゃいけないよね。

もっというと、仕事の辞め方の選択肢ももっとあっていい。シリコンバレーのスタートアップの人たちとかは、「45歳で働くのを辞めたい。だから逆算すると今これだけ稼がないといけない」みたいに、自分のワーク時間を決めてから必要なサラリーだとかを決めることが多いみたいなのね。日本だと「いつまでいくらもらえる」っていう考え方で、いくらあったらもう辞められるとは考えないよね。全員が死ぬまで働く必要はないし、仕事以外にやりたいことあるんだったら、もっと高密度に働くという選択肢もあっていいと思う。

マーケッターがもっと別の領域に行けるというモデルになりたい

長谷川:事業会社を飛び出して次のステージに行かれたところで、世の中がこういう風になった方がいい、こういう風にしていきたいという展望を教えてください。

本間:事業会社で得たマーケティングの知識についていろんな人とディスカッションしたいから出たので、引き続きたくさんのマーケッターの人たちと会いたいですね。

もうひとつは、「マーケティングをやっていた人たちがもっと別な領域に行ってもいいよ」というモデルになりたい。「マーケティングこそ経営だ」って言うんだったらもっと違う世界の仕事をしていいはずなのに、それが日本ではいまいち具現化していないから。マーケティング領域の人たちが「外の領域に行っていいんだ」と思えるような足跡を残したいよね。

長谷川:本間さんは、デジタルマーケティングじゃなくてマーケティング全般を意識しているんですね?

本間:そう。「デジタルマーケティング」ってもう、意味はあんまりないよね。むしろ情シスの人たちが言っている「デジタル化」とか「IT化」とかの方が本流の会話だと思うよ。マーケティング部門の人たちって、Outlookの自動振り分けすらできてないでしょ。その人達がデジタルマーケティングって言っちゃいかん。今の20歳以下人たちは自分の生活がデジタル化されていて、これから彼らがビッグクライアントになるわけだから、デジタルマーケッターはまず自分をデジタル化しろと。そうじゃないと顧客観察できてないってことでしょう。そこからスタートなんじゃないですか。

まぁ、そういう話ができるかな、と思ったからコンサルに行ったということです。今まで一緒にやっていた人たちと別れたわけではないので、そこをより盛り上げるために、がんばりますよ。

長谷川:いやぁ、いつか転職されるとは思っていたんですけど、聞いたときは「そうきたか!」と本当にびっくりしましたよ。今日お話をうかがって少しその意図も分かったので、今後の展開も楽しみです。今日はありがとうございました!